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「紅麹関連商品」と腎機能障害について

最近、小林製薬のサプリメントである「紅麹関連商品」が、日本の患者さんに腎機能障害を引き起こしたとの報告がありました。
一方、海外ではこの紅麹が、高脂血症治療薬であるクレストール錠(ロスバスタチン錠)と同等とされ、医師の処方によっても使用されています。

紅麹(ベニコウジカビ)には抗コレステロール作用があり、これは農学者の遠藤章氏によって発見され、その後、スタチン系と呼ばれる高コレステロール血症治療薬の基盤となりました。
しかし、紅麹には腎機能を悪化させるシトリニンという毒素を産み出す真菌(カビ)も一部含まれており、今回の健康被害の争点となっています。

紅麹は日本古来から着色料として使用されてきたこともあり、「まあ良いだろう」という見方もありますが、具体的な健康被害に関するデータは日本にはなく、医学的には一部の紅麹が腎機能悪化のリスクを抱えていることは知られています。

一方、クレストール錠(ロスバスタチン錠)の副作用として、尿蛋白や腎機能異常が起きる確率もあります。*具体的には0.1〜2%未満

結局のところ、紅麹関連商品もクレストール錠も同様に腎臓障害のリスクをはらんでいることは、理論的にもわかっています。

エビデンスによる科学的な証明はまだ得られていませんが、伝統的な着色料としての紅麹についても、日本社会が容認しているという見方もあります。
ただし、何でも摂り過ぎれば毒になることを忘れずに。水の飲み過ぎでさえ水中毒になり、命を落とす例もあることを思い出しましょう。

紅麹に対する風評被害を防ぐためにも、慎重な摂取が求められます。


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