上勝町 | 山あいで生まれた「葉っぱビジネス」
こんにちは!
ひとつ前の記事で書いたゼロ・ウェイスト宣言をした上勝町について、もう一つお話ししたいと思います。
それは「葉っぱビジネス」というものです。聞いたことある方もいるかも知れませんが、私は上勝町へ行くまで知りませんでした。
葉っぱで町おこしをした上勝町のお話しです。
葉っぱを売って地域活性化に成功した、上勝町
今から遡ること35年程前に、葉っぱビジネスは誕生しました。
徳島県上勝町の地形は、平地が少なく急ばいで大規模農業には向いていなかったそう。
そんなデメリットにも見える部分も見方を変え、ポジティブにとらえて発想転換をしたのです。
「山あいの地形・冷涼な気候と高齢者の知恵がつまっている場所」と考え生まれたのが、当時まだ農協職員だった一人が考えた「葉っぱビジネス」でした。
葉っぱビジネスとは『つまもの』のこと。
私たちもふだん目にすることの多い、大根のかつらむきを千切りにしたものなどがその代表格です。
スーパーでもお刺身と一緒に入っているあれです。
料亭などでも美しく飾られていますよね。
大葉・紅たで・穂紫蘇・菊の花・ぼうふう・わさびなどがつまものにあたります。
お寿司ならば、仕切りに使うハラン。
昔は' 飾りハラン 'といって、職人さんがいろんな形に切ったりもしていたそうです。(さすが日本人の美意識)
そんなつまものを栽培〜販売まで全体を行う農業ビジネス、いわばサーキュラーエコノミーを生み出したのが、葉っぱビジネスです。
農家、農協、会社(いろどり)が三位一体となって取り組んでいます。
商品が軽量で綺麗なことは高齢者の方でも取り組みやすいところもポイントだったそう。
種類は300種類以上、1年間を通して出荷されています。
今こそ、日本の文化を見直すべき
つまものは日本料理には欠かせない存在。
なのにも関わらずこれまで組織的につまものを扱うしくみはなかったそうです。
それまでは、板前さんが独自ルートで入手するのが普通のことだった。
そこに焦点をあてて無駄を生まない組織体制を作り上げたのが「葉っぱビジネス」です。
このビジネスは新しい農業モデルとして大成功を収め注目を集めました。今では「つまもの」のシェア約8割を占めるまでになっています。
この仕組みは、きっと他の多くの事にも活かせるはず。日本の古き良き文化や伝統はなくなりつつあります。もちろん、時代の変化と共にそのままではいけないこともある。
今の時代の良い部分、例えばデジタル化を生かしてアップデートしながら思考もアップサイクルしていくことが求められているような気がします。
他の国の真似をしなくても、日本には良いところが沢山あります。日本人らしさとは何だろうと、今一度一人一人が考えることが大切なのではないでしょうか。
「それが普通のこと」といった言葉があります。
今まではそれで良かったのかも知れない。しかし、デジダル化が進み世界中の普通は今も刻々と変化しています。
その中で「普通はこうだから」と普通が安心だという考えこそ、危ないことだと私は感じてしまいます。
この葉っぱビジネスもきっと最初はそんなこと出来るわけないなどと言われたことでしょう。
それでも発想を形にし、今では大きなビジネスとして成功した上勝町は単純にカッコいいなと思いました。