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経年劣化しない自分だけの武器を磨き続けた女は強いって話


先日、夫といい感じのイタリアンでランチコースをいただいていたら、隣に座った男女がまさに真剣婚活真っ最中という感じで、こっちまでドキドキさせられるランチタイムになってしまった。

それなりにゆったりしたテーブル間隔なのだが、彼らの声は必要以上に大きく、会話内容がめっちゃクリアに聞こえてしまうので(特に男側は自分の社会的地位を店内の全員にアピールしてるみたいだった)、初めは意識をそらそうと努力していたが、途中からもう諦めて聴き入ってしまった。

嗚呼、大好きな夫とリラックスして美味しいランチを楽しみにきたのに、
お隣のハイコンテクストな「パートナー選びの攻防」にどうしても意識を持っていかれてしまう、私のへなちょこ注意統制よ。

でも彼らのバトルがなかなか示唆に富んだ物であり、婚活中の女性に是非とも伝えたいエッセンスを得たのでこれはもうnoteに書くことにした。
(※もちろん彼らのプライバシーを尊重して、特定できるような情報は伏せます)

***

さて。そのお二人。

まず男性の無駄にでかいアピールボイスから、彼が医師であることはすぐに分かった。というかレストランの客全員に説明するような声量で「当直が〜」「救急が〜」「専門医が〜」「研修が〜」と話していたので嫌でもそれは分かってしまったのだった。若い。

顔は中の下という感じで、服装もパッとせず、田舎から出てきた大学3年生といった容貌。

私は職業柄毎日のように医師と接しているが、医師という職種には井の中の蛙的な人間が多く、自分が世の中で一番偉い人種だと思っていることがよくある。(だから私は医師をお付き合いの候補と考えたことが一度もない)この子もまあそういうタイプだろうと私は踏んだ。

だがしかし、男性側の無駄にでかい話し声を聞いていると、なんだかオラオラ、自慢系という感じでは決してなく、むしろちょっと下手に出ているというか、相手の機嫌をうかがっているというか、とにかく相手に敬意を払っていることが感じられた。自分が医師であることをアピールしつつも、相手に対してすごく丁寧に謙っているような話のしかた…

一方女性側は、彼に対して全く媚びる様子はなく、自分を飾ろうとするそぶりもない。

男性が自炊の話をすれば、正直に「忙しいからほとんどしてない」「最近のパックごはんは非常に美味しい」と返し、
片付けや掃除の話をすれば、これまた素直に「ズボラなんで」「洗濯物散乱しがち」「水回りだけ死守」「夏は虫が出やすい。もうダメ」とありのままを話している。
趣味の話を振られれば「あんまりない」「漫画ですかね?」「ジムとか行ったことない」とこれまた色気のない返事。

そして男性は彼女の答えを必死に正当化しているではないか。
(最近はサトウのご飯とか美味しいんでしょうね〜!!レトルトも進化して!!とか)

その後、彼女のリアルな話に触発される形で彼も自己開示。


医師:「正直僕もそんなかっこいい趣味ってなくて、休みの日とかこもってRPGのゲームとかたまにやったりしてましたけど、最近はそれすらやんなくなっちゃって」

謎の女性:「その年でRPGゲーム?」

医師:「あっ、やっぱやばいですかね」

謎の女性:「あはは、やばいね(バッサリ)」

医師:「やばいっすよね〜ははは(乾いた笑い)、あっでも最近はやってないんで、ほんと。仕事が忙しくて。それよりアウトドアしたいな〜みたいな(女性の反応を必死にうかがう)」

謎の女性:「へ〜(ワインを飲む)」


こ…

これは…明らかに、男性の方が劣勢…!!!
女性側に余裕が感じられる…っっ!!!


婚活市場において、若くて将来有望(とされる)医師を目の前にして、全然がっついてないのである。しかも相手に好かれようとか全然意識していない。
「すごいですね〜」も「さすがですね〜」も「知らなかったです〜」も出てこない。

媚びない、嘘つかない、高い声出さない。ぶりっ子しない。計算しない。

彼女は全然下手に出てないのである。
堂々として正直。なかなか女子として好感度の高い佇まいである。

声と話の内容だけでも、彼女の人柄がビシバシ伝わってきた。
(この時点では、私の角度からは彼女の姿は見えていない)

若くてイキってる男性医師が婚活市場において“敬意“を払う女性。
それはズバリ、相当ないい女だけである。

この元気なカエルくんをいなせる相手、それはきっとモデル級の超絶美女に違いない。
そう思ってお料理がサーブされてスタッフの顔を見上げる自然なタイミングでチラリと彼女の姿を視界に入れてみた。

…が

なんと、医師の彼の向かいに座っていたのは、ごくごく普通の女性
しかもアラサー?くらいの女性だったのである。

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