オリンピックは本当に開催できるのか?
残るところあと3ヶ月あまりとなった東京オリンピックの開催。ここにきて、中止論が強くなってきた。今のところ不参加を表明しているのは北朝鮮しか聞かないが、これから表明する国が増えてくるかもしれない。
それにしてもなぜそこまで開催にこだわるのか。それに関しては以前にも記事に書いているが、大きな理由は経済的損失であろう。ただでもコロナの影響により経済的に大ダメージを負った日本が五輪中止となれば、それに追い討ちをかけるどころか、息の根を止める事態にもなりかねない。一説によると中止による損害額は7兆円を超えると言われている。
経済で世界の主要国となった日本が、五輪を皮切りに衰退していくなんて構図は到底受け入れられない。だからこそ開催にこだわるのかもしれない。
そしてもちろん選手への影響だ。選手はこの4年に一度の大会に向けて、一生懸命練習をし、大会に勝利してきた。その努力が中止となると水の泡。それはあまりに残酷な話しである。2020東京オリンピック中止は人類がウイルスとの戦いに敗れた象徴として後世に語り継がれていってしまうだろう。
最大の疑問は「なぜ、コロナが蔓延し始めた時からオリンピック開催国だとわかっていたのに優先的にワクチンが回らなかったのか?」だと思う。私見だが、これがアメリカとか他国であれば7兆円の被害を受けるぐらいならと全力でワクチンをかき集めていたであろう。しかし、日本は国際社会にHELP信号を出しながら結果的に自分たちの番が回って来るまで行儀良く行列に並んでいただけである。
この記事を読めば様々な真相がわかるが、要は日本はすでに自力でワクチン開発をする力はなく、また日本政府も薬事法に定められた臨床試験基準を厳守し、特例的に引き下げなかった。それらの複合的なつけが我々国民だけではなく、世界中のアスリートたちにも回ってきているのである。ここでもしも五輪開催を中止すれば、当然ながら中止に追い込まれたことの理由探しが始まり、そしてこの日本政府の「まずい対応」が世界中に公開されることになるのだ。それは避けたいのは本音だろう。
開催しても叩かれる、開催しなくても叩かれる。ならば強引にでも開催した方がダメージは少ない。忘れている方も多いかもしれないが、あまりに政治的、経済的なウエイトが重くなったことにより五輪は一時期中止論が出ていた。オリンピック本来の目的が失われているということである。新型コロナによりこれらの問題が再浮上した。スポーツ業界は一大産業である。簡単に無くすことはできないが、それでもこのコロナをきっかけに「そもそも五輪の目的とは?」ということを再考するきっかけになればと一スポーツファンとしては思うのである。
世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。