ハッピーエンドを望むのに

 誰もが望むことがある。それはハッピーエンドだ。物語を読んでいて主人公が色々大変な目にあってハラハラするも「どうやってハッピーエンドに結びつくのか。」ということを常に期待し続ける。一時期バッドエンドが流行った時期があり、なんの映画だったか主人公が銀行強盗か何かで捕まりそうだったのに、なんとか逃げ切り仲間と喜んでいたところ電車にぶつかり車が爆発して終わるというものがあった。銀行強盗なのに主人公というだけで応援したくなるのは不思議なものだが、最後がバッドエンドで終わるというところに一抹の寂しさが残った。人はどんな時でもやはりハッピーエンドで終わって欲しいのだ。

 しかし、多くの人は人生をカレントハッピーで過ごそうとする。造語だが、「その瞬間ハッピーだったら良い。」ということである。下記の本を今読んでいるが、確かにそうだなとつくづく自分を振り返った。

 かなりの超大作なので読むのに一苦労だし哲学がベースになっているので多少苦手意識がある人もいるかと思う。しかし、知り合いで最近お父様を病気で亡くされた方が死の間際に手渡されたのがこの本だった。死んでから死を意識しても何も生まれないが、死ぬ前に死を意識しておくと世界の見方が変わる。

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 もしも「超大作はちょっとなー」という人はこちらの方をお勧めする。上は完全翻訳版で下は縮約版だ。縮約版でも十分内容が詰まっている。

 話しを戻すが、ハッピーエンドで終わりたいのであれば様々な苦労や困難を人生の中で乗り越えていかなければならない。そもそも何が辛いのか身をもって体験しないと何がハッピーなのかもわからないものだ。良いと悪いは表裏一体である。一方向だけ知っても真実を知ることにはならない。

 もちろん私だって辛いことは嫌だ。できれば自分の身の回りに起きて欲しくない。それでも、こちらの意図に関係なく嫌なこと辛いことは起こる。それは避けることのできない事実だ。ではどうするか?嫌なこと辛いことの解釈を自分の中で変換するしかない。

「嫌なことがある⇨自分の能力でどのように気持ちを整理し乗り越えるか、これは一種のゲームだ」

 当然のことながらうまく立ち回れないこともある。そんな時は本屋や図書館に駆け込む。本というのは言わば人生の説明書のように思っていて、どこかに自分が今抱えている問題の解決策が記載されている。あとはそれを取り入れ実行できるか否か。

 私にも感情があり、人が思っているよりもずっと傷つきやすく尾を引きやすい。だからこそ自分の感情に対する防御策はより多く身につけなければならないと思っている。朝4:30に起床し、毎日4KM以上のジョギングを欠かさず、食事も1食あたりお米一杯は超えない、お金もなるべく使わず貯金にできるだけ回すと自分をコントロールし続けるバックグラウンドには世に起こる事象に身を任せると自分の心が保てないという涙ぐましい理由があるのだ。世の多くの人たちは私よりもっと頑丈であろうからそこまで片意地を張らなくて良いとは思うが、それでも毎日の生活で何かに揺さぶられ続けると気持ちが疲れてしまうということは誰にでも経験あるはずだ。だからこそ、自分がコントロールできることはなるべくコントロールした方が健康的である。

 欲に流されるのは人間の性である。その結果老後2000万円問題に憤りを覚えたり、貯金なし、年金なし、体も壊しているのに寒空の中日雇いバイトで生活している人たちがいる。好きでやっているのであれば何の問題もないが、人生後半に近づくほど人は辛さに耐えられなくなっていくものだ。だからこそ人生が進むにつれて幸せと感じる瞬間が多くなるよう準備を進めていこうではないか。

 最後に一度は栄華を極めたが、落ち、復活し、今では富豪ながらも倹約を心がける(とは言っても我々庶民からすれば相当贅沢だが)与沢翼氏の著書を紹介したい。

世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。