【株式投資・資産運用:関東大震災級の大地震に備える資産防衛方法】プットオプション買い
[3.11]巨大な津波が押し寄せる宮城・気仙沼市【JNNアーカイブ 311あの日の記録】 (youtube.com)
関東大震災級の大地震の再来が近いうちに来るのではと、巷・ユーチューブ・SNS界隈で騒がれ始めています。東海地方・西日本では南海トラフ地震の懸念も騒がれています。
数日分の水・食料・防災用品を買い備え始めた人も、少なからずいるのではないでしょうか?
2024年に突入して1月1日・元旦から能登地震直撃、相次ぐ日本中での中規模地震、2024年4月3日(水曜部)朝方の台湾巨大震災と、4枚のプレートが重なっている日本周辺で大規模な地震活動が活発化してきています。
このメモ書きでは、「地震での死傷者が何人出るだろう・何千兆円の被害規模か?」という人的被害・物的被害の規模はさておき、、、
能登地震災害にあっても、「国が大災害時には何もしてくれない」というのが露呈した2024年、新NISAが始まったタイミングですし・・・
「プットオプション(この言葉、今は読んでいても分からなくて大丈夫です、読み進めてください)」という金融派生商品・デリバティブを使った、資産運用の際の「資産防衛方法」を適当にメモ書きしておきます。
株から派生した「金融派生商品(デリバティブ)」には大きく3種類あり
・先物(FUTURES:フューチャー)
・オプション(OPTION)
・スワップ(SWAP)
この3種があります。
このうち、大地震が起きる前に「損失を一定の金額で確定し限定しておき、大暴落が起きれば『大暴落が起きただけの利益』を得られる『【かも】しれないポジション』」に立てるのが「プットオプション買い(損失額限定)」という、金融派生商品・デリバティブを使った戦法です。
この際、「先物」と、「プットオプション」の性格上の真反対となる「コールオプション」については説明しません。「先物」と「コールオプション」について知りたい方・勉強したい方は、以下の東証・JPXの解説サイトなどをご紹介しておきます。
さて、アメリカでは、ダウ・SP500・NASDAQ・VIX(恐怖指数)など各種指数に対する(コール・プットともに)オプション取引が「非常に」というより、異常なまで盛んですが、日本では一転してまともに取引が出来るのは「金融劣島」なので、「日経オプション」だけです。
TOPIXオプションやJPX400オプションや個別株券オプション(株オプ・かぶオプ)なども上場されてますが、商い・売買高が少なすぎて使えません。
「仮に、日経オプションとはそもそも何か~・・・」と書き出すと、日経平均の「先物」に対して「買いの立場」「売りの立場」のそれぞれ「買う権利が~」「売る義務が~」「売る権利が~」「買う義務が~」というとても小難しい話になってしまう、、、ので、避けます。
「日経オプションとは何か?」を非常に簡単に書くと、テレビニュース終わりに流れている「今日の日経平均は〇〇円でした」とやっているあの日経平均の「上げ」または「下げ」を、何日後までに〇〇円のレベルまで「上がると予想」または「下がると予想」し当てるゲームです、それに現ナマ・お金を賭けるというゼロサムゲーム(損した人と利益が出た人との損益を全部足したら「ゼロ」)の取引所の公認博打(バクチ)ですね。
オプションは、大阪取引所のれっきとした上場商品です。
「プットオプション買い」についていえば、日経平均が値下がった時に備えて、事前にあらかじめ、掛け捨てで買っておく「値下がり保険」と言えます。
実際を見たほうが分かりやすいので、さっそく現実の話です。
次の画像は、2024年4月4日11時21分ごろの「一瞬」を切り取った、「日経先物価格」と「プットオプション価格」のキャプチャです。
この時点でニュースなどで言及されている日経平均の値は「40,033円」、日経先物6月限の価格が「40,070円」です。
オレンジ枠で示した3か所「2024年5月限(読み:5がつぎり)」「プット(オプション)」「権利行使価格:36,000円」を見てください。「現在値88円、売り気配91円、買い気配89円」となってますね。
これはどういうことか、「 と て も 簡 単 に 説 明 (ゆっくり解説)」すると、5月・第2週金曜日(=2024年5月10日)午前9時寄り付きに、日経平均が「36,000円より下にさがっている」こと(これをプットオプション5月限・権利行使価格36,000円と言います)に対する賭けが「88円」の価格で成立している、という事です。
先物・オプションというものになじみがない方、現物株しか分からないよ、という方は、いったい何が書いてあるか分からないでしょう(苦笑
仮に、5月10日までに関東地方に首都直下型の地震が来ていて、日経平均が5月10日の寄り付き時点で「30,000円」になっていたと仮定します。(今時点、4月4日で40000円前後ぐらいです。)
「プットオプション5月限・権利行使価格36000円」を「88円」で買っていた人は、権利行使価格「36,000円」を日経平均「30,000円」が下回った価格差の分だけ、つまり最終的に「6,000円」分のお金が5月10日に戻ってきます。
「88円」で買ったものが「6,000円」で戻ってきたら、何倍に増えましたかね?
関東大震災級の再来での大震災被害が、もっと酷い場合の想定・仮定を見てみます。先ほどスクショした時点から時間が進んで、2024年4月4日11時48分、この時点の日経先物の価格は「40,170円」と変わってますが(現物の売買はお昼休みなので、日経指数自体は11時30分で止まっています)
先ほどと同じ右側のカラム(欄)のオレンジで囲んだ部分を見てください。
「5月限プットオプション」の「権利行使価格25,000円」の価格状況です。「現在値3円、売り気配4円、買い気配2円」です、直近で3円で賭け(プットオプションの売買)が成立し、売り気配は4円、買い気配は2円という事です。
5月第2週金曜日(2024年5月10日)の寄り付き、大地震被害が甚大でその影響で日経平均が「15,000円」まで大暴落していたと仮定します。
これも先ほどと同じ計算、権利行使価格「25,000円」を日経平均「15,000円」が下回った価格差分「10,000円」だけ、お金が戻ってきます。
つまり、「3円」で買ったのもが「10,000円」で戻ってきます。
では、5月10日までに大地震がなく日経が権利行使価格の数値を下回らなかったら?
「掛け捨ての値下がり保険」というのを思い出してください、支払った分だけが損失となるだけです。戻りは一切ありません。掛け捨てです。
日本全国 緊急地震速報ライブ The Real-time Earthquake Alert Channel for Japan (Tokyo) since 2012 (youtube.com)
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実際には現物株は通常「100株」単位で売買するように、
(例)吉野家の株価3,000円台=売買は100株単位なので、最低30万円台のお金が必要(2024年4月4日時点)
先物とオプションについては、通常、先ほど書いたオプション価格の「1,000倍」の金額で売買を行います。
つまり、先に2つ挙げたプットオプションの「震災」「大震災」での仮定の値動きの例は、それぞれ金額が「1,000倍」になります。
「88円」が「6,000円」で帰ってくるという、震災で日経が暴落すると仮定した話の場合は、1000倍なので「88,000円」を支払って「6,000,000円」戻ってくるということになります。暴落が無ければ、「88,000円」が掛け捨てになります。
「3円」が「10,000円」で戻るというのも「1,000倍」なので、「3,000円」で掛け捨て保険のプットオプションを買って、大震災での大暴落で日経が「15,000円」になれば、「10,000,000円」になって帰ってくるかも、、、という皮算用の話です。
権利行使価格の価格帯の選び方・買う数量(=オプションは「枚数」と呼び、〇枚と数えます)は、どの程度の暴落に対して値下がり保険を掛けたいか、支払える掛け捨てできる余力で変わってきます。
先物・オプション関係について、適当に、啓蒙コンテンツを置いておきます。
北浜投資塾 ミニオプションコンテンツ②「プットオプションを買ってみる」 (youtube.com)
オプション取引について | 日本取引所グループ (jpx.co.jp)
1000倍の「日経オプション」は、毎月第2週金曜日が締め切り(SQ日と言います)になるように設定されますが、、、
「日経ミニオプション」という倍率が「100倍」の週次に設定される、資金サイズが個人投資家に触りやすい種類のプットオプションというのもあります。
プットオプションの価格は、東証の次のページで見ることができます。
JPXのHPの「以下の赤線部分」をクリックするとオプション・ミニオプションの価格情報が見れます。(20分遅れの価格情報になります)
数千円・数万円の日経指数への掛け捨てプット保険買いで、数百万円の儲けになるという話、「じゃ、その数百万円を支払う側はいったい、誰?」という事ですが、オプション取引の賭けの相手「売り方」ですね。
「売り方」は通常、買い方が支払う保険料を懐に入れて、「儲け」として手に入れます。これは100回中99.9回以上成功しますが、残りの0.1回は・・・
プットオプションの「売り」は、大地震一発で死ねるので厳禁です。(盆栽名人とか香ばしい投資信託とか昔はありました、オプション売りで蒸発したファンドです)
通常のオプション取引の金銭の移動・やり取りについては、証券会社が間に入り、さらにJPX傘下の「クリアリングハウス(清算機関)」が入るので、大暴落があった際に値下がり保険を買っていた「儲け」を回収し損ねるということはありません。
逆に、プットオプションの売りで大損害を出して、追証を支払う事が出来なければ、証券会社がマイナス超過分を立て替えてクリアリングハウス上の清算はしてくれますが、証券会社から大規模な借金をするという形になります。
<その15>【オプション取引のリスクを学ぶ】 勝率は高いがリスクの高いポジションだということを知らずに安易に手がけて大きな損失が発生した事例 (youtube.com)
日経が40,000円前後でのレベルでの荒い数字でしかありませんが、週次で新規設定される「100倍」のミニオプションでは、現状の日経平均の値から権利行使価格が「4,000円」ぐらい離れたプットオプション(つまり、大地震で1週間のうちに4000円以上の大暴落に賭ける)は、残存期間が1週間・7日の場合、これを「1円」で買えることが多いですね。
(なお、例外的に、メジャーSQがある週は権利行使価格が、通常のオプション側が非常に低い価格帯まで設定されるので、下方方向へのヘッジニーズで価格が高まり4,000円分も離れていても「1円」では買えないです。)
「ミニオプションプット1円・残存1週間」を10枚、合計「1,000円」分を毎週木曜大引け間際に買う事で、年間52週、年6万円弱の掛け捨てで4000円以上の大暴落に対して、賭け(保険)が出来ます。
注意は「【何とか】ショック」レベルの一時的な市場の混乱・プチ暴落で、1週間で2,000~3,000円ぐらいしか下がらない場合は、ほとんど、この保険戦法は機能しません。
4,000円を超えるようなカタストロフィックなブラックスワン(黒い白鳥)を狙った作戦です。
【リアルタイム地震】強震モニタ マルチウィンドウ ライブ(24時間放送) (youtube.com)
新NISA・NISAである程度の金融資産がある人は、定期的・機械的なプットオプション購入・ミニオプションプット購入も、選択してあるのではないでしょうか?
通常のプットオプション1枚(ミニプットオプション10枚)で、雑な値ごろ感の計算ですが
(「日経の値」ー「4,000円」)x1000倍
いまだと、「40,000円ー4,000円=36,000円」の1,000倍
ぐらいの想定元本分の、下方ヘッジ機能はあるのではないでしょうか?
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