保育士給与から見える日本
保育士の給与を上げれば、保育士不足が解消されるのではというつぶやきを目にしました。
個人的には、以前から保育士さんはなかなかな重労働だなぁと思いつつ、賃金を上げるには難しいだろうなと思っています。保育士になるには、いくつかのルートがあるようですが、基本的には高卒程度の学歴で試験さえ通れば資格を得られるわけです。初任給30万という金額って、四大卒の初任給よりはるかに高額な金額なわけですが、それをどうみますか、ってお話。ガテン系の体力仕事の人は中卒だろうが大卒だろうが初任給30万くらいかせぐけど?って意見もあるかもしれないけれど、子どもの安全に責任を負う仕事は、自身の身体にリスクを伴って稼ぐガテン系のお仕事とはまた異なりますよね。逆に言えば、初任給30万ももらえちゃったら、無責任な保育士が増えると思いませんか?
今は学歴に疑問を持つ人も多くて、名前さえ書けば入れちゃうような四大でも四大卒ですって言えちゃうところに問題があると思っているのですが、そこそこの大学であればやはり思考的な部分で高卒の人とは大きく差がでる、差が出るはずだと思っています。それは教養であったり専門的な分野であったりという意味なんですが。
じゃあなんでこんなに重労働なのに薄給なのかって、そりゃ以前に比べればやらなきゃいけないこと、時間が大幅に増えたからでしょ?と思っています。共働き家庭が増えたおかげで保育士さんが面倒見なきゃいけない時間が大幅に増えたわけです。これまでだったら、9時ー15時くらいで面倒みてお家に帰してあげられてた(現実的な時間は知らないけど)部分が、下手すりゃ7時から21時くらいまで面倒みなきゃいけない(シフトだろうけど)し、事故やケガの追及も厳しいし、こりゃ大変、ですよ。そんで、その薄給だった過去をず~っと引きずってるんですよね。そりゃ薄給でやるよりも、定時で帰れて給料も人並みにあってボーナスもある仕事でありゃ、そのほうがいいですよね。薄給を乗り越えられるのって本当にその仕事が好きすぎる人しか無理なんですよ。
でもこの重労働が増えたってのも、保育士に限らずだと思っています。これまでがなぁなぁだったからなのかもしれない。食品業界は異物混入を防ぐために設備投入も管理もかつてよりも何十倍もコストもかかっているし人手も必要になっています。製造業界だってトラブルが起きたらその処理のために沢山の手間をかけて謝ったり改善したりしているわけですよ。
そして、これは大変!給与を上げよ!と声を上げたところで上げられません。だって財源がないもの。この時代だから、こんなにも仕事は増えてしまったと思う。で、労働者にとって重労働をカバーできるのって突き詰めると給料だけっていうの、真理だと思います。だけど行きつくところ結論、日本全体が景気が悪いから無理だって話になるんですよ。賃金を上げるなら、社会全体の賃金を上げる必要があるんです。
個人的には、老い先短いおじさんたちの給与を見直したらと思っています。本当に働いて成果を上げている人はともかくね。。。年功序列の給与体系なんて本当に腐ってるし、何やってるかよく分からない地方の市議会議員なんてクソ。デスクに座っているだけで年収一千万のおじさんとかいるけど、これまで頑張ってきたんだからって言うなら、むしろ早くリタイヤしてそのお金で遊んで経済回してよって思うもの。
これに追随するなら、早く実力成果主義が当たり前の社会になればいいと思っている。学歴だけが良くて大手に入って働かない人いっぱいいるよ?能力のない人はさっさと去ってほしい。日本はそのあたり意識的に本当に立ち遅れていると思う。なんでこんなにみんなが不安になって生きているのかと思うけど、ひとつには自分たちが会社で働いて稼いでいるっていう実感もってないからだろうなってのがある。サラリーマンあるあるかもしれないけれど。歯車になったら、もう考えなくてもいいんだもんね。年功序列のレールに乗ったら、だまって会社の言うこと聞いてりゃ給料もらえて、なんとなく人生すすんじゃう。
だけど、自分で選んでない人生だから、この先どうなるのかすご~く不安になってきちゃうんだよね、こういう人たちって。いればお金が入ってくるところじゃないんですよ。会社って。コスト意識が低すぎると思っている。だから仕事中に居眠りをするし、タバコ休憩するし、やりたい放題。これ、本人の責任だけじゃないと個人的には思っている。社会、教育の責任ですよ。長い年月をかけて日本はこういうふうに育ててきたの。レールに乗っけて、黙ってレールに乗ってくれる人を大事に大事に育てて来たんだもの。
頭のいい不安な人はどうするか。自分でお金を稼ぐようになります。それは副業かもしれないし投資かもしれないし、転職かもしれない。でもそこに他人は関わらないよね。あくまでも「自分が」平穏になるためのプロセス。言い分としては「自分が努力した結果だから」となる。これが日本の現実です。
でもそうでなくて、もっとみんなが幸せになる方法を考えたほうがいいと思うんだよね。それは、平均賃金を上げたりということも含め、選挙に行ったり、政治に参加するという方法だと思うのです。親世代はそういう意識は当然死んでるし、働いている現役世代も正直微妙でしょ。だからこれからの教育というのはそういう視点で行かなければいけないと思います。頑張った人が高い給料をもらうのは当然であって良い、けれど、その人が預ける子どもを安全に過ごすためのバックグラウンドを仕立てるのは、案外そういうところだったりするんじゃないかなと思います。
はやく頭の固いおじさん世代が退いて、若者世代が頭をひねって教育改革をしてほしいと思っています。若い世代は戦争を求めていないし、今時のツールの使い方が上手い。お金の使いかたにもシビアだから、早くそういう若きリーダーに舵をとってほしいなと願っている・・・田舎の主婦のつぶやきでした。
※政治家でもない一人の主婦のつぶやきです。