【露】ワグナー司令官エフゲニーの思惑とモスクワの今後の対応。
6月24日、ベラルーシのルカシェエンコ大統領とワガナー司令官エフゲニー・ブリコジンとの間で会合が設定された。
会合は1日かかり、
「ワグナー戦闘員の身の安全」
「モスクワとの間の問題解決にあたり、不利のない選択肢」
この2つが主に話し合われ、プーチン大統領はこれに合意した。
エフゲニーの不満と悩み
上記の合意内容はエフゲニーはかなり妥協したもの考えれる。
合意内容に「2014年〜ドンバス戦争、2022年SMO作戦以降の働きに応じ、相応しい政治的地位」を入れたかったのは確かだろう。
バフムト制圧の功績は主にワグナーにあるとされ、4月2日のバフムト市街の実質的陥落時にエフゲニーは
「プーチン大統領がこの功績に値するだけのものを我々に提供してくれるのか悩みどころだ」とビデオに対して発言している。
↓下記、エフゲニーの不満が見られる発言。
それに加え、ワグナーは北アフリカ、中央アフリカ、西アフリカ、東アフリカなど10数カ国に対して戦闘員を派遣しており、対IS、民兵の訓練や鉱山、パイプラインなどの資源施設の警備にもあたっており、アフリカ諸国のセキュリティ面をロシア軍の代わりに大きく担っている。
主にこの2つのことの功労について、エフゲニーはモスクワに対し不満を持っていたと思われる。
エフゲニーは何故今回このような行動を取ったのか?
・バフムトとアフリカ諸国での活動に対してのモスクワの反応に不満を持ち、今回このような行動を取った。
・FSB諜報機関と政府高官の違法文書をエフゲニーは持っており、それを駆け引きの材料とし、プーチン大統領に対し交渉を持ちかけた。
しかし、ルカシェンコ大統領仲介の合意内容を見る限り、駆け引きの材料としては使えなかった又は、駆け引きの材料として使った結果が上記で述べた2つの合意内容と思われる。
どの道、「相応しい政治的地位」が合意内容に含まれてない以上、駆け引きの材料は機能しなかったと考えられる。
まあ、エフゲニーはモスクワを脅迫しようとしたけど、未遂に終わったってことですね。
合意後
ワグナーの戦闘員はモスクワ市まで200キロまでの地点まで軍を進めており、エフゲニー司令は合意締結後、戦闘員に対してワグナー駐屯地に戻るよう指示。
現時点で部分的にワグナーに対するFSBの犯罪捜査が行われているが、これがワグナーの首を絞めることになるかどうかはエフゲニーの今後の対応によって変わって来るであろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?