バカまぶしの弊害

 バカまぶしというスパイスをご存じだろうか。お笑いコンビ・バイきんぐの西村瑞樹氏監修によるもので、個人的にはこれまで試したアウトドアスパイスがバランス型だとすれば、一点突破型のほぼぶっちゃけカレー味と思わせておいて結構風味が複雑、キャッチコピー通りバカみたいにまぶしたくなる味をしている。

 スーパーなどにはまだあまり出回っていないのか、近所では見かけないのだが、キャンプに行った時に現地のスーパーで見つけて試した時、最初はまあ前評判ほどではないな、というのが正直な感想だった。カレー味やんけと。多分それはクミンシードが多量に含まれていることからそう感じたと思うのだが、それに加えてバカみたいにまぶしていなかったこともある。

 これは敢えてそう作っていると判断しているが、ちょっとかけてもあまり意味がない。バカみたいにまぶさないと味が入ってこないと言うか、まとまってこない。風味付けとか味を調えるとかそういう概念の中にバカまぶしは存在しない。全部をこの味で食べるんだという覚悟が必要だと思っている。

 先日とあるイベントで、二種類ある中で辛い方、名前も「バカまぶし 辛いの」というまさにバカっぽい方を貰った。早速キャンプで使いバカみたいにまぶしてバカな味だなあと楽しんでいた。かなり大きいパックで貰ったので、キャンプだけだと余るなと思い、調味料の容器に小分けにして自炊でも使っている。炒め物にもかけるし鍋の終盤にもかけるしゴマ油と混ぜて生野菜にまでかけている。スパイスは体にいいし。バッサバッサかけていた。

 そうして数日経ったある日。ここからうんこの話になるし大体予想はつくと思うのだが書いていく。自宅のトイレで快便をかました後丁寧に拭く。立ち上がって流した時、一瞬違和感があった。

 今なんか赤いの見えなかった?

 まさか血便…とは思うが別に調子は悪くないし、痔持ちでもない。たまたまそう見えただけかなと思っていたが、ネクストうんこの時もなんか赤い気がする。更にネクストうんこの時に拭いた後を確認してみると、明らかに赤い。だが何か、血便という色ではない気がする。

 あ、これバカまぶしの色やんけ。

 毎日毎日バカみたいにまぶしていたせいで腸壁がバカまぶしに染まってしまった。何事もやり過ぎはよくないという話である。あとネクストうんこってものすごいしょうもない単語を生み出してしまったことにも一抹の後悔を感じつつ、今日も自炊に勤しむ。バカみたいにまぶす。

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