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世界の代表的な国民食

アイリッシュシチュー (Irish Stew)、アイルランド

アイルランドの伝統的な家庭料理。19世紀初頭に登場した料理で、当初はマトンやタマネギ、じゃがいもなどシンプルな材料で作られましたが、後にラムや牛肉、その他の野菜が追加されました。

ただし、材料やレシピが各家庭によって若干異なり、家庭の数だけレシピがあるともいわれています。



タブ・コシ (Tavë Kosi)、アルバニア

ラム肉とヨーグルトをオーブンで焼いた、グラタンのような料理。その起源は15世紀頃、アルバニア中部のアルバサンで生まれたといわれています。

現在ではアルバニア国内のみならず、北マケドニアやギリシャなどの周辺国でも親しまれています。



ヨークシャー・プディング (Yorkshire Pudding)、イギリス

イギリス北部のヨークシャーで考案されたイギリスの家庭料理。小麦粉/卵/塩/牛乳などを合わせた生地をオーブンで焼いて作られるシュークリームの生地のような料理です。

主にローストビーフなどの肉料理の付け合わせとして用いられ、ホースラディッシュソースやグレイビーソースをかけていただきます。



ウィンナーシュニッツェル (Wiener Schnitzel)、オーストリア

子牛肉の薄切りにパン粉を付けて揚げたウィーンの名物料理。その歴史には諸説ありますが、1857年頃オーストリアの陸軍元帥ラデツキーによってイタリアからレシピが持ち込まれたのが始まりであるといわれています。



ステクフレスク (Stegt Flæsk)、デンマーク

ローストされた豚肉や茹でたジャガイモ、風味豊かなパセリソースから構成される伝統料理。その名称は “Stegt” (揚げ物)、“Flæsk” (豚肉)を意味し、2014年には国を代表する郷土料理に選ばれました。



グヤーシュ (Goulash)、ハンガリー

牛肉や玉ねぎ、じゃがいもなどを煮込んだハンガリーのシチュー。その名称はハンガリー語で“Gulya(牛の群れ)”、“Gulyas(牛飼い)”を意味する言葉で、農夫の料理がルーツであるといわれています。

現在ではヨーロッパで広く親しまれており、各地域の食材や食文化と融合した独特なグヤーシュをいただくことができます。



ポトフ (Pot-au-feu)、フランス

フランス語で「火にかけた鍋」を意味するフランスの家庭料理。鍋にブロックの牛肉、野菜類、香辛料を入れ、長時間煮込んで作られます。その起源には諸説ありますが、古くから農民の冬の定番料理の一つとして親しまれていたといわれています。

16世紀頃のフランスは、宗教戦争の影響で人々の生活は困窮しており、当時のポトフにはほとんど肉が入ってなかったそう。

その最中、フランス国王アンリ4世が「いかに貧しい農民であっても毎週日曜日に “Poule au pot”を食べられるようであってほしい」と鶏のポトフを推奨した有名なエピソードが残されています。



ドラニキ (Draniki)、ベラルーシ

ベラルーシで親しまれているジャガイモのパンケーキ。すりおろしたジャガイモに卵と小麦粉を加え、フライパンでカリカリに焼き上げます。

サワークリームと一緒に頂くのが一般的です。ひき肉を加えたり、ニンニクで香り付けしたりアレンジにはさまざまなものがあります。



ハンバーガー (Hamburgers)、アメリカ

言わずと知れたアメリカの代表的な料理。その由来は、専門家の間でも意見が分かれ明確にはされていませんが、中でも18~20世紀前半にドイツ北部・ハンブルクから移住してきたドイツ人たちによって伝えられたひき肉料理がその原型であるとする説があります。(当時、この料理は「ハンブルク風ステーキ」と呼ばれていました。)

1904年、アメリカで開催されたセントルイス万国博覧会で、このハンブルクステーキをサンドイッチのようにパンに挟んで「ハンバーガー」として売り出したことで広く知られるようになったのだそう。



プティン (Poutine)、カナダ

カナダの名物料理のひとつ。フライドポテトにチーズカード(牛乳を酵素で固めた熟成前のチーズ)と、グレイビーソースをかけて作られるもので、1950年代にケベック州で初めて作られたとされています。

カナダ全土で広く親しまれており、トロントやオタワなどでは毎年“プティンフェスティバル”が行われます。



ププーサ (Pupusa)、エルサルバドル

トウモロコシ粉で作られた生地に、豆やチーズ、肉を挟んで平たく焼いた料理。ププーサの歴史は非常に長く、古代マヤ文明時代の遺跡・ホヤ・デ・セレン古代遺跡(世界遺産)にも痕跡があったといわれています。

2005年には、政府によってププーサが国民食に制定され、毎年11月の第2日曜日には”ププーサ・デー”をお祝いします。



アキー&ソルトフィッシュ (Ackee and Saltfish)、ジャマイカ

アキ-と呼ばれる果物と塩漬けしたタラを使った料理。玉ねぎやトマト、ハーブを一緒に炒めて作られるもので、ジャマイカの朝食の定番料理の一つとしても知られています。

アキ-はとても栄養価の高い食材ですが、開花前のものは有毒であるため、十分に熟したものが食材として使用されます。



コシャリ (Kushari)、エジプト

マカロニやパスタ、レンズ豆、ひよこ豆などに揚げた玉ねぎとトマト(トマトソース)をかけた料理。19世紀頃のイギリス統治時代、イタリアやインド料理の要素が混ざって生まれました。

当時は肉体労働に従事する人々の間で食されていましたが、現在は職種や階層に関わらず多くの人々に親しまれています。



ナシゴレン (Nasi Goreng)、インドネシア

“Nasi”(ご飯)、“Goreng”(揚げる)を意味するインドネシアの郷土料理。朝ごはんの定番としても知られる料理で、材料や味付けは地域によってさまざまなものがあります。

中国の炒飯もしくは中近東のピラフから独自に変化を遂げたといわれていますが、その由来は明らかにされていません。インドネシア以外にも、マレーシアやシンガポールなど周辺国でも親しまれています。



ナシ・レマ (Nasi Lemak)、マレーシア

ココナッツミルクで炊いたご飯のことで、ナシ(Nasi)は「ごはん」、レマ(Lemak)は「油分」を意味します。

ナシレマには、さまざまな付け合わせが添えられており、ゆで卵やきゅうり、小魚、サンバルソース(辛味調味料)などがあります。



ボーズ (Buuz)、モンゴル

モンゴルの代表的な料理のひとつ。細かく刻んだ肉を小麦粉の皮で包んで蒸した、中国の小籠包のような料理です。

旧正月(ツァガーンサル)やお祝いの席に欠かせない一品で、行事前になると千個単位のボーズが作られます。準備したものは、冬場零下40℃にもなる戸外で自然冷凍して保存します。




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