【北タイ・チェンマイ】手間を惜しまない一皿を提供する、スローフードレストラン2選
北タイ・チェンマイ。お堀に囲まれた正方形の旧市街を、町の中心に包括するかつての都です。このお堀を正方形に見立てて、南東にある門を出てすぐのところに、一度は訪れて欲しいレストランが2軒あります。
いずれも厳選した食材を使い、手間を惜しまない絶品料理を提供する、という点が共通です。
一軒はサステナブルシーフードを使用した海鮮料理がいただけるレストランで、もう一軒は手打ちパスタと手作りソースがたまらないパスタ専門店。
どちらも実際に訪れて気に入ったので、ぜひ紹介させてください。
Maadae Slow Fish Kitchen
まずご紹介するのはチェンマイを訪れる前から気になり、インスタグラムをフォローしていた「Maadae Slow Fish Kitchen」です。
南タイ・パットタールン出身のオーナーYaoさんは、チェンマイを拠点に料理教室を開催、またプライベートシェフとして国内外で活躍しています。スローフード活動家でもあり、さらにメニュー開発やシェフ育成のコンサルティングを行い「The Yao of Cooking」はじめ自身の料理本を出版している、チェンマイのオーガニック料理界ではちょっとした有名人なのです。
レストランのはじまりはパンデミック中に訪れた、南タイ・チュンポーンの漁港で漁師さんの現状を知ったこと。未曾有の自体に次々と飲食店が閉まっていくなか、漁師さんの仕事が減少し困っていました。
ときを同じくして、チェンマイでもYaoさんの知り合いのレストランが閉店することになり、その場所を継いで「なにか新しいことを」を考えていたのだそう!そこで、チュンポーンの漁師さんが獲った魚を提供するシーフードレストランをオープンする流れになったのです。
レストランに込めたこだわり
持続可能な方法で漁師をサポートするために、またすべての人に美味しく、安全な食べ物を提供したいという想いで、持続可能な食と環境に配慮した農業に焦点を当て、できる限りオーガニックでローカルなものを提供しているMaadae Slow Fish Kitchen。
南タイ・チュンポーンから届く一日以内に輸送される新鮮な魚介はもちろん、季節の食材やオーガニック食材は地元で調達し、ソース類は保存料を使わない自家製のものを。
スロー(時間がかかって)でも、大切なことは揺るがない。これはYaoさんらしい料理へのこだわりなのでしょうね。
友人と感動した、Maadae Slow Fish体験
メニューはシンプルで食材の味が際立つ料理がメイン。ちなみにその日獲れた魚の炭火焼きは、看板メニューのひとつです。
穴が開くほどメニューにじっくり目を通した後、私と友人が選んだメニューがこちら!
もし、またディナーで訪れてもまったく同じメニューを頼みたいほど、どれも期待を斜め上から越えてくる最高のチョイス!
見てください、バラクーダフライの一皿の色どり、そして華やかさ!
オニオンのパープル、ライムのグリーン、パセリの濃いグリーン、トマトのレッドと美しい。ジンジャーとレモングラス が大きめのカットで、かなりのアクセントになっています。
口の中が複数のハーブとジューシーかつサクサクしたバラクーダフライのマリアージュで、幸せにおぼれそう♡。
イカのレモングラスサラダもまた、これ以上なくヒット!
歯切れのよいイカにはハーブと魚介スープの味がたっぷりしみ込み、噛みしめるたびじゅわっと旨みが溢れ出すのです。
このイカとバラクーダを行ったり来たり、この豊かさのループってば…!
とても人気の店なので、予約しておくことを強くおすすめします。特に外せないディナーであればなおのこと。その価値があるレストランです。
Barefoot Restaurant
次はMaadae Slow Fish Kitchenと同じ敷地内にある、手打ちパスタの専門店「Barefoot Restaurant」です。
Maadae Slow Fish Kitchenを右に見ながら、そのまままっすぐ進むと視界が開けて広場が現れます。芝生広場の左手にお目当てのBarefoot Restaurantが現れます。
カラッとした天気のいい日には、テラス席も気持ちいいでしょうね。私が訪れたのは溶けるような暑さの日、迷わず涼しい室内を目指します。
旬の食材、地域の食品を駆使したメニュー
席について持ってきてくれたメニューは、まるで一冊の本!意識的に食べることの大切さ、どのような基準で食材を選んでいるかなど…そのこだわりを読んでいるとその情報量に、まるで読書をしているような気分になります。
Barefoot Restaurantでは、野菜のサブスクシステム・SCAを利用し「METHA ORGANIC」より野菜を仕入れているそう。「毎週水曜日に届く箱には、何が入っているかわからない。まるで宝くじに当たった気分になる」と表現されていて素敵だなと改めて。
もちろんすべて100%オーガニック、旬の野菜やフルーツたちです。
またチーズやミルク、ハルミチーズなどは地元の生産者からのもの、そして平飼いの鶏やダックの卵を使用。ちなみに同店のパスタはダックの卵を使っているそうです(ヴィーガンパスタも対応可)。
自家製ペストを使った麗しのパスタ
看板商品のひとつカルボナーラ、ドライチリとトマトのパスタも気になるし、つけ麺の日本風冷製パスタとは!…と幸せに迷うこと5分ほど。
以前、インスタの動画で見かけたペストソースを思い出し、そのペストを使用した一皿「Pest Pasta」に決定!
ペストソースはチーズ、ナッツ、バジル、ガーリック、オリーブオイルをミキサーにかけて作った自家製です。ベーコンかマッシュルームが選べたので、マッシュルームを選びました。
トマトの赤とフレッシュ&ソースのバジルの緑が、夏らしいコントラスト。パスタのツヤもシズル感たっぷりで食欲を誘います。
パスタをフォークで巻きつけ口に入れた瞬間、ふわっと強めに立ち上るバジルの香り!「あぁ、美味しい…」、思わずこぼれました。
目の前で作られた打ち立てパスタは、想像以上にしっかり硬めのアルデンテ。このパスタにフレッシュな自家製のペストソースが絡みます。バジルの野性味が口内で豊かに弾け、モッチリした歯ごたえの麺は噛みしめるほど味わいが増します。
パスタとともに頼んだのは、オレンジ・ニンジン・ジンジャーのフレッシュジュース。
外食するとき、私は日ごろの野菜不足を補うべくフレッシュジュースを頼みがちです。ゆるベジタリアンなので野菜は摂っている方のですが、きっとフレッシュさに飢えていたのかも。特に旅のあいだはビタミンCを積極的に摂るようにしたいですね。
しぼりたてのジュースは、細胞一つひとつに染み渡るようでした。
-
シーフードレストランとパスタ専門店。どちらもタイ料理からかけ離れているように思いますが、シーフードレストランはハーブの使い方など、紛れもなくタイ料理でしたし、パスタも近郊から取り寄せた食材で丁寧に作られているため、地産地消という意味で現地の料理です。
旅行のあいだ、ちょっと違うものが食べたいな、という気分のときに(いやそうでなくても!)おすすめしたい2軒でした。
この記事があなたの貴重なひとときを、少しでも豊かなものにできたなら幸いです。旅を、そして人生の旅をどんどん楽しみましょう、お互いに!サポートいただけましたら、note活動にリターンさせていただきます♡