#100 ハーバード大学の壮大な研究
アメリカのハーバード大学で752名の男性を対象にある研究しました。
ひとつのグループはハーバード大学の2年生の集団です。超エリート集団です。
もうひとつのグループは大学のすぐ近くにある貧民街の子ども達の集団です。
その2つのグループの子ども達がその後の人生をどう歩んだか。752人です。それも10年や20年ではありません。
なんと75年間です。
つまり、その752人の子ども達の「一生」をずっとリサーチしていったのです。この調査が大変なのは研究者たちも同じように年をとっていきます。どんどん研究者も代わります。それでも75年間、どんな人生を歩んだのか記録を残したのです。
このような調査が実施できるところにアメリカの大学のすごさを感じるのは私だけでしょうか。
その中から大統領になった人も一人います。
家もなく、水道も止められた人もいます。
心を病んでうつになった人もいます。
ここで大事なことは75年間リサーチしたということです。これが10年、20年だったら、おそらく裕福な家の子の方が勉強もできて、いい学校にも行けて、いい会社に就職して、年収も高いかもしれません。
でも75年間ですから、人生の後半になってどんな状況になっていくのか・・・
この研究ではすでに結論が出ています。
「最終的に人間の幸福を決めるのは富でも名声でもなく、
夢に向かって頑張って働くことでもなく、
よき『人間関係』に恵まれたこと。これに尽きる」
だったそうです。人は誰でも幸せになりたいはずです。大事なのは心身の健康と良質な人間関係なのですね。このように人生を俯瞰した調査研究結果を目の前に突きつけられると、今学校の教師が子どもたちに最優先して育てなければいけないものが見えてきませんか。
子どもたちが将来よき人間関係に恵まれるようにするには、子どもたちのコミュニケーション能力を育成することです。子どもたちに幸せな人生を歩んでもらうために教師ができること、それは授業で教えた計算や知識ではないのです。(もちろん、勉強することは世の中で生きていく上で大事な事ですが)日々の学校生活の中で子どもたちのコミュニケーション能力を育成していくことに尽きるのです。頭がいいだけでは人は幸せになれないのです。勉強ばかりさせて、高い塾に通わせても、血の通ったコミュニケーションがとれるようにしていかなければ、将来幸せにはなれないのです。そう考えると、学校生活の中で、授業の中で、先生が、子どもたち同士が、また家庭で親子が、兄弟がどうやりとりをするかが本当に大切になってくると思います。
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