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グスタフ・クリムト #5
グスタフ・クリムト / Gustav Klimt(オーストリア、1862-1918)
グスタフ・クリムトは帝政オーストリアの画家。女性の裸体、妊婦、セックスなど、赤裸々で官能的なテーマを描くクリムトの作品は、甘美で妖艶なエロスと同時に、常に死の香りが感じられる(若い娘の遺体を描いた作品もある)。また、「ファム・ファタル」(宿命の女)というのも多用されたテーマである。『接吻』に代表される、いわゆる「黄金の時代」の作品には金箔が多用され、絢爛な雰囲気を醸し出している。
クリムトは、同時代の多くの芸術家同様、日本や東アジアの文化の影響を強く受けている。日本文化への深い傾倒は、甲冑や能面などの美術工芸品を含むプライベートコレクションからも明らかで、1900年分離派会館で開かれたジャポニズム展は、分離派とジャポニズムの接近を象徴するイベントであった。特に浮世絵や琳派の影響は、クリムトの諸作品の基調あるいは細部の随所に顕著に見て取れる。
クリムトはかなりの数の風景画も残している。殊にアッター湖付近の風景を好んで描いた。正四角形のカンバスを愛用し、平面的、装飾的でありながら静穏で、同時にどことなく不安感をもたらすものである。
Johanna Staude
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【制作年】1917年
【技法】油彩、カンヴァス
【所蔵】】ベルヴェデーレ宮殿オーストリア絵画館
【サイズ】70 × 50 cm
赤子(ゆりかご)
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【制作年】1917 - 1918年
【技法】油彩、カンヴァス
【所蔵】】ワシントン・ナショナル・ギャラリー
【サイズ】110.9 × 110.4 cm
白い服の女
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【制作年】1917 - 1918年
【技法】油彩、カンヴァス
【所蔵】】ベルヴェデーレ宮殿オーストリア絵画館
【サイズ】70 × 70 cm
Lady with Fan
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【制作年】1917 - 1918年
【技法】油彩、カンヴァス
【所蔵】】ベルヴェデーレ宮殿オーストリア絵画館
【サイズ】100 × 100 cm
Posthumous Portrait of Ria Munk III
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【制作年】1917 - 1918年頃
【技法】油彩、カンヴァス
【所蔵】】個人蔵
【サイズ】180.7 × 89.9 cm