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人間関係の悩みを抱えながら

感受性豊かな中学3年生時代。

僕は孤独だった。

昼休憩では、僕が独りで食べているとは知らない母親が作った弁当を独りで食べ、食後は図書室で本を読んだ。

体育でも家庭科の授業でも、おそらく豊かな学生時代を過ごしてきたであろう教師の言い出す「今から二人組をつくってくださーい」が最も残酷だった。

僕が教師なら口が裂けてもグループを作れなんて言うことはない。

次第に孤独にも慣れ、独りでもよくなった。どうでもよくなって逃げた。

逃げ場所はいつも保健室だ。

自分を知れば知るほど、友達をつくることがこれほど難しいのかと悟る。

他人の懐に入ろうと自分をさらけ出せば、弱者だと思われ、攻撃を受ける。

中学生というのは、人間の人生で一番残酷になれる時期かもしれない。

弱みをさらけ出せば、そこにつけ込み、笑いに変えようとする。

言い返すことが苦手だった僕は、笑われるだけ笑われた。

なぜ攻撃されるのかもわからず、ひたすら我慢して、自分の殻を厚くした。

「もう誰も入ってきて欲しくない」

生まれてわずか15年。他人との関わりを断とうと思った。

こんな僕でも成長して、一歩一歩階段を登り、大人になった。

傷跡が癒えることはなかったけど、人生の楽しみをひとつひとつ見つけることができた。

自分の意見を主張する術も覚え、友人もできた。

週末は飲み会、休日は旅行へ行き、合コンへ行き、趣味の格闘技に打ち込んだ。

心から愛せる女性と共に、世界に二つしかない指輪を薬指にはめた。

そして新しい命を授かった。

幸せだった。

それでも、僕の人生には常に幸せと悩みが共存する。幸せなだけの日々が続くことはない。


30歳。年齢に比例して、任される仕事のレベルは上がり、そこに責任も伴う。

上司と部下の間に挟まれ、あらゆる悩みが姿を現す。

他人との関わりを断とうと思った15歳の時。あのころから、常に僕の背後につきまとう黒い影。

決して消滅することはない。虎視眈々と油断した僕を狙い、ふとした時に襲い掛かってきた。

「他人とのコミュニケーションがとれない」「溝ができ、深まり続ける」「関係は悪化の一途をたどる」

気の合う同僚とばかり付き合っていた僕は、気の合わない人との付き合い方がわからなかった。

会話が苦手な僕は、再び自身の殻にこもっていく。

ーー上司や部下から陰口を叩かれているんじゃないか

ーーつまらない人間だと思われているんだろうな

ーー僕なんていなくなった方がいいんだろうな

全てを悪い方向に考えてしまう。誰にも話せないまま。

それでも

殻を厚くするだけの15歳の僕とは違った。

あらゆる対人関係の悩みに対処する本を読んだ。

本は孤独だった僕をいつも救ってくれた。

悩みに対する考え方も次第に変わり、少しだけ楽になる術を身に付けることができた。

今でも会話が苦手で、大人しい僕は、平均値よりも苦労する人生を送っていると思う。

でもその分、人の痛みがわかるんじゃないかとも思う。

悩みが完全に消えることはなく、今でも幸せな家族生活と仕事の悩みが共存している。

その中で、悩みへの対処方法や逃げる術も学び、何とかやっていけている。

人間関係の悩みは、生涯消えることはないと思う。

それでも、対処方法を学ぶことで、少しずつでも改善できることも確かであり、今日も悩みと戦いながら、幸せを噛みしめている。

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