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逃げてもいいけど、逃げちゃダメなときもある。

「逃げたっていい」という言葉を聞くと、大きく2パターンの反応をする人がいると思います。

「マジか!人生楽勝やー!」と気持ちが明るくなる人と、「いやいや何ナメたこと言ってんだ・・・」と気持ちがザワつく人。
みなさまはどちらでしょうか?


私は、圧倒的に後者タイプでした。

自分で言うのもアレですけど、もともと優等生タイプだったので「サボる」というのがかなり抵抗あります。

さらに、大学受験や仕事で「目標達成のために猛烈に頑張る」ということをガッツリやってきたので、それが染み付いてしまったのだと思います。

特に、会社でトップ業績を出せるようになってから、さらにヒートアップ。
一番キレッキレだった時代には、体調不良で休む人にも「弱すぎじゃない?」と思ってました。
なんという体育会系。ド文化系なんですけどね。笑



でも、この数年で考え方が変わってきて、「逃げるしかない時もあるよな」と今は思っています。

というのも、私自身が、「逃げる」という経験をしたんですよね。
しかも、かなり、派手に逃げました。


5年前、私は自分の希望で部署異動をしましたが、その部署の仕事に挫折。たった半年でギブアップしました。

この時、「半年じゃ何もわからない。もう少し頑張ったら。」とたくさんの人が言ってくれました。つまり、「逃げるな」ということですよね。
言っていることは、よくわかります。昔の私だったら、同じことを言ったでしょう。

でも、当時の私は、自分でも驚くくらい精神的に限界でした。

20代後半で、会社の仕事以外のことも含めて、いろんな疲れ・焦り・不安がグルグルしていた。
これ以上続けたら「心が死んでしまう」という感覚があって、続ける選択は考えられませんでした。

結果的に、私はこの部署から去ることになったんですが、そこから数年間、「逃げてしまった」という罪悪感をずっと背負ってました。

自分がタブーだと思っていたことを、自分がやらかしてしまったのでね。
しかも、めっちゃ周りの人を巻き込んで、迷惑かけて。
もう「人生やり直したい」くらい思ったりもしました。


この時の経験から、今では、「逃げるしかない時もあるよな」と私は思っています。

心の強さ、どんなことにストレスを感じるのか、など、その特性は人それぞれ。
側から見れば「そんなことで・・・」と思われるようなことでも、その人にとっては死活問題みたいなこともある。

それを、飲み込んで頑張りすぎてしまうと、鬱とか精神疾患に繋がっていくんでしょう。
私もその一歩手前だったのだと思います。


だから、今の私は、もし「今の環境がしんどくて逃げようか悩んでいる」人がいるのなら、「もう無理だと自分の心が言っているなら、気にせず逃げたらいい」と言います。


ただ、同時に伝えたいのは、「その代わり、今は逃げない方がいいと思う時が来たら、その時は踏ん張りなさい」ということ。


これも実体験なんですが、人生の課題って、繰り返すんですよね・・・
恐ろしいことに。

例えば私は、いったんこの部署からは逃避し、もともと所属していた部署に戻ることになりました。

で、昔はその部署でキレッキレの活躍をしていたわけですが、戻ったところ非常に優秀な方々が増えていて、私まったく歯が立たなかったんですよね。

かつ、逃避した後ろめたさで自尊心が激低だったのもあって、メンタルはボロボロ。

結局、逃げる前とおんなじくらい辛かったんです。笑


でも、この時は、続けました。
なぜかというと、「今は逃げる時じゃない」って、腹の底の声が言ってたからです。
(毎日、旦那に引っ張ってもらってなんとか会社に行っているような状況でしたけどね。笑)

私、この時は、もうわかってたんです。
「私があのとき逃げることになったのは、人の評価を気にしすぎる自分の心が原因だ」「今辛いのも、人と自分を比べているからだ」ということを。

そして、「人目を気にせず、人と比べず、そのままの私で素直に生きていけるようになりたい」と、強く思いました。
正直、当時そこまで言語化できていたわけではないんですが、本能的にわかっていた感じです。

だから、瀕死の重体(精神的な)に何度かなりかけつつも、3年続けました。

その間に、たくさん「心の在り方」を研究・実践。
仕事では、楽な心持ちでありながら過去最高の社内評価をもらうことができ、ユルユル幸せに生きられるようになりました。


振り返ると、私のこの2つのしんどい経験って、神様が私の「心の在り方」を軌道修正するチャンスだったんだと思います。
めっちゃめちゃ荒治療ですけどね。笑


私の考えをまとめると・・・。

「本当にもう無理!」って時は、逃げても仕方ないと思う。
「腹が減っては戦ができぬ」じゃないですが、いくら困難に立ち向かいたくても、心身が大丈夫じゃないとその底力も出てこない。
克服する前に、再起不能になってジ・エンドになっちゃいます。

一方で、「逃げたい」と思うほどの出来事が起こっているということは・・・きっと何かの人生の課題に向き合っているときなのです。

もし、「逃げたい」と思う度にいつも本当に逃げていたら、せっかくの変わるチャンスを捨てることになります。

なので、少しでも「ここは堪えどきかな」って思うときは、ちょっと踏ん張ってみるといいと思う。

そうすると、意外とそこが人生を変えるブレイクスルーになったりするはずです。



今の世の中では、「逃げてもいい」ブームが来ているように思います。

でも、これは本当にケース・バイ・ケース。
自分の心身の状態と相談しながら、たまには「逃げたい」って思うことに向き合ってみるといいですよ。

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ナカモト ヒロミ
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