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江戸時代の色感覚

昨年から日めくりを楽しんでいる「にっぽんのいろ日めくり」(暦生活)。
今年の分は、色別に整理するつもりで日々のノートには貼付けずにとってある。
既に十ヶ月分だから結構な枚数になった。

色別にと思っていたのだけど、
これがなかなか難しく、どうやってまとめようかと毎日めくる度に思っている。

それにしても!常に思うが色名のつけ方がたいそう楽しい。
「納戸色」とか「灰汁色(あくいろ)」、
「濡葉色」とか。。。
「葉っぱ色」じゃぁなく、特定の葉っぱの色名でもなく、
葉が雨に濡れたときの緑色をそうよんだ。
乾いた葉っぱの緑色とは違うなぁと。。。
そこに何か感情が動かないと名前なんてつけないだろう。
きれいだ。と思ったにちがいない。愛を感じる。

灰汁の色まで色として認識し、日常の様々に反映させる感性には感嘆しかない。

今年の「灰汁色」も既にめくった記憶があるのだけど、
束の中から探し出せず。。。上の画像の「灰汁色」は既にノートに貼付けている昨年のもの。
お鍋の色だ。鶏のつくねかな。
白ネギに美しく焼き色がついているところがすごい。バーナーか?
(どうでもよいことだが。。。我が家ではあり得ん。おいしそう。)

灰汁色
繊維の漂白や、染め色の媒染剤に使う灰汁は、灰に湯を注いだものの上澄み液。灰汁の少し黄味がかった灰色をいう。

日本の色辞典(著者 吉岡幸雄)

納戸色
わずかに緑味のあるくすんだ青色。江戸時代に生まれた色名と思われ、青系統の色の中ではおおいに流行り、男物の裏地、木綿の風呂敷などに盛んに用いられた。錆納戸、藤納戸、桔梗納戸、鉄納戸、納戸茶、納戸鼠、など、こじつけとも思われる色名も生まれるほどもてはやされた。
名前の由来には諸説ある。一に納戸(物置)の暗がりを表すような色。二に納戸の入り口にかける垂れ幕の色によく用いられたため。三に将軍の金銀や衣服、調度の出納を担当した御納戸方(おんなんどかた)の制服の色であったから。いずれも定かではない。

日本の色辞典(著者 吉岡幸雄)

納戸を開けたときの暗がりを色として認識するってとってもすごくないか。
と思うのだ。江戸時代の日本人にとってはふつうの感覚だったのだろうか。
今でも、こんな風に和の色は増えていっているのだろうか。。。

私はこの納戸色系がとても好き。
上の画像の上から三番目の顔彩が「納戸鼠」という色。
そしてその顔彩で作った和紙封緘紙が仕切りの上段左から二番目になる。
濃さを変えるだけでも印象はかなり変わるが、
濃くても薄くても鼠色がかっていても全部好き。

そして最近は灰汁色にもとてもはまっている。
飴色もずっと欠品中。
ちなみに飴色封緘紙は今月の箋に小さな華やかを添えてくれた。

神無月も最後の日。
今日は夕焼けが見えません。

機嫌よくいきましょ
藤井あき乃

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