【エンジニアのひとりごと】攻守のバランス #24
ITに関連する話題や、支援で訪問するお客様先で思うことをつらつらと、
ひとりごと的に行なう24回目。
こんにちは!
ワークスアイディ株式会社 キャンスタ編集部
RPAエンジニアの、りっさんです!
今回のひとりごとは、「攻守のバランス」です。
1.方向性統一のウラ表
自動化に向けて前進する道を示して進むことはもちろん良いことですが、示すだけで具体的な全体共有と方向性、どのように展開していくのか等があいまいなまま、現場が無理をして対応する…RPA界隈でもよくある光景です。
勢いはありますので「一時は前進」しますが、「無理をしたまま走り続けても長くはもたず、現場任せになっているが故に現場の努力に依存」することになるため、継続するもしないも現場任せになってしまいます。
この場合、躓くまではどうにか進み続けられますが、ひとたび躓いてしまうと少しずつ間をあけて本来の業務に戻って放置気味になり、最終的には消滅してしまいます。
また逆に、具体的な共有も方向性の統一もできており、どのように展開していくかも理解できているにもかかわらず、うまく行かない場合もあります。
それは、「全員が同じ方向に進み過ぎてしまう」が故に「その他がないがしろになる」ことによって、「環境も上層部の理解も整っている」のに立ち行かなくなるケースです。
現場主義で上層部の理解もあるため、うまく行く環境は整っており、「全員が同じ方向に前進するフォワード(攻め)」による推進力は非常に強力ですが、「そのフォワードをサポートするバックアップ(守り)」が手薄になっていることは気付かず、歯車が少しずつズレてくるように緩やかに崩壊していき、大体はそのバックアップを担当する責任者がいなくなった際に気付き、その時点で慌てて気付くパターンです。
「全員が同じ方向を目指す」ことは非常に重要ですが、その時に「攻守のバランス…つまり役割分担を正しく把握して配備できているか…も同時に重要です。
上記例では、「上層部から強力な方向性の推進」があるため、「全員がその方向性に向けて」進みますが、この時全員が同時に、「その推進をサポートする役割は担当したくない」と考えます。
上層部が望む方向性に尽力することはメリットしかありませんが、サポートすることはその方向性と同じばかりとは限りません。
場合によってはその方向性とは真逆のことに注力せねばならないにもかかわらず、それを理解されていない場合は、すること自体が「推進することと違うことをする」と捉えられてしまい、デメリットにしかなりません。
「上層部が示すこと」をしない訳ですから評価されることもありませんから、果たしてそんな役割を好き好んでする担当者などいるでしょうか…?
2.フォワードとバックアップは一心同体
するとどうなるか?
もちろん全員が「評価されるフォワード(攻め)」にシフトすることになるため、「評価されないバックアップ(守り)」が手薄になり、一見すると同じ方向に向かって全員で取り組んでいるにもかかわらず、その方向とは異なる業務…既存作業…が手薄になっているままになり、フォローする担当者がいない手薄なまま放置され、緩やかに立ち行かなくなっていき、最後の砦たる責任者が不在になるタイミングで発覚して慌てて対処する…。
前者はよく見かけると思いますが、実は後者も少なからず存在します。
もちろん、「バックアップ(守り)」にばかり重きを置いてしまうことにも問題はあります。
「今あることに固執するあまりに新しいことを受け入れず」、何かをするとなると「デメリットを提示して前に進むことを拒み続け」、そうして「攻めのタイミングを見失って」しまい、真綿で首を締めるように規模が縮小していくパターンです。
前者のように「攻守のバランスを欠くことはNG」ですが、「時期や状況によってシフトチェンジをしないこともNG」ということです。
つまり「フォワードとバックアップは一心同体」というワケです。
3.今を見極める采配を
うまく行っている企業さんはこの辺りの采配がとても上手く、「誰も好き好んでしたくはないこと」に対してもきちんと気が付いており、しかるべき手を打っています。
例えば、「業務負荷を軽減させる」ことや、「サポートするスタッフにも役割を与えて体制を整える」こと、場合によっては「手当を充実させる」ことで補填とする等、「フォワードとバックアップに偏りのない適切な評価をする」ことで、双方にメリットのあるWin-Winな関係を構築して良好なバランスを保っています。
フォワード(攻め)の時ほど、バックアップ(守り)は十分か、また現場主義のあまりバックアップ(守り)ばかりになってはいないか。
攻守バランスの「今を見極める采配」は常に必要です。
個人的に過去で印象に残っていることとして、「上の立場にある者は常に自分自身の答えを以って部下に示すべし」という教えがあります。
もちろん、上長だからとてすべてにおいて完璧に示すことは難しいですが、少なくともその方向性に進むべしとする場合は、その進む際の前に広がる道だけでなく、そのことによるあらゆる選択肢を考慮しておく。
つまり問に対しては自分なりの答えを以って接するべし、というものです。
前進する勢いに乗って進撃することは重要ですが、そんな時こそ「勝って兜の緒を締めよ」を忘れるべからず。そんな今日、この頃です。
以上、キャンスタ編集部 RPAエンジニア りっさんでした!