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使えるキャリア理論 その1 キャリアコーン

管理職でありキャリアコンサルタントである私が独断と偏見で選んだ使えるキャリア理論(の一部分の美味しいところ)をご紹介します。

組織内キャリアの地図 としてのキャリアコーン

Edgar Schein (エドガー・シャイン)という心理学者がキャリアコーンという考え方を提唱しました。

組織を3次元でモデル化したもので、円錐の形をしています。
円周方向: 職能の種類
母線方向: 職位の高さ
半径方向: 中心性、または内部者化
日本語で書くとこうなりますが、おそらくこれでイメージできる人はいないと思うので、キャリアコーンで検索してください。
上手に書き起こしてくれた絵がたくさん見つかります。

上司と部下(この呼び方に議論があるのは知っていますが、今回はそこは気にしない)の間でキャリアの話をするときにキャリアコーンが共通言語になっていると非常にスムーズです。

いわゆる「出世」と呼ばれているものは、母線方向を上に上る動きで示すことができます。キャリアコーンを一緒に見ながら、「きみの言っている”キャリアアップ”って、母線をそのまま上に上ることを言ってる?」という会話をすることができます。

軌跡を見る

キャリアコーンには、組織の中でキャリアを積み上げてきた人の足跡・軌跡を描くことができます。

  • 技術職の下っ端から開始

  • ある商品開発で学生時代に勉強した知識を活用(半径方向)

  • その実績が買われて主任に昇格(母線方向)

  • 技術がわかる人間が企画してほしい、という期待を受け商品企画へ(円周方向)

  • ・・・

といった感じで描くことができます。
上司が辿った足跡を、線としてのロールモデルとして図式化することができます。いま現在の状態を見た点としてのロールモデルだけでは、部下のキャリア開発の参考にするのは難しいですが、線として見えると、何をどんなステップでやっていくのがいいのかが理解しやすくなります。

使えるキャリア理論その1はこれでおしまいです。
基礎理論を全く知らなくても直観的に理解できるキャリアコーンをぜひ使ってみてください。


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