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天は自ら助くる者を助く(利己精神→自助精神→利他精神)
「利他精神が大事だ」ということを聞いて、「誰かのために行動しないとダメなんだ」と思ってしまい、自分を犠牲にしてまで誰かのために動いたり、誰かのためにというのが言い訳になって、自分の理想を追わなくなったりする若者も見てきました。
利他精神(りたせいしん)とは、自分の利益や欲求を優先するのではなく、他者の利益や幸福を優先して行動する精神や考え方を指します。仏教の教えに由来する言葉ですが、現代ではビジネスや人間関係、社会活動など幅広い分野で使われています。
◆
【利他精神の主な特徴】
①自己犠牲を伴うこともある
┗自分の利益や時間を犠牲にしてでも他者を助ける姿勢。
②共感力が強い
┗他人の気持ちや状況に寄り添い、理解しようとする。
③持続的な関係を築く
┗短期的な利益よりも、長期的な信頼関係や絆を重視する。
④社会全体の利益を考える
┗個人や組織の利益に留まらず、社会全体の幸福や発展を意識する。
利他精神が大事なことは理解できます。
ただ、「自分を大切にできない人が相手を大切にできるのか?」というのは疑問です。
自分を大切にしないまま、自分を犠牲にして相手を助けると、自分が本来やるべきことができなくなって、自分のことを肯定できなくなったり、「自分なんて」と思うようになっていくかもしれません。
だから、利他精神を大切にする前に、利己精神を大事にした方がいいと思うんです。
利己精神(りこせいしん)とは、自分自身の利益や幸福を最優先に考え、行動する精神のことです。自分の欲求や目標達成を重視し、自らの利益を追求する考え方とも言えます。
【利己精神の特徴】
①自己利益の追求
┗自分の利益や満足を最優先に行動する。
②自己保護
┗自分の安全や権利を守るために行動する。
③競争心
┗他者と競争し、自分が優位に立つことを目指す。
④自己成長
┗自分の能力や知識を高め、自己実現を目指す。
確かに、利己精神の説明を見ると、「自分勝手になってしまうかも」と心配する方が出てくるのも理解できます。
だから、「利他精神の前に利己精神を大事にしよう」というメッセージを伝えると同時に、「誠実に謙虚に、感謝の気持ちを持とう」というメッセージも伝えています。
誠実に謙虚に、感謝の気持ちを持っていれば、利己精神を大事にしたとしても、自分勝手にはなりませんから。
そんな中で、最近、『自助精神』というものを知りました。
自助精神とは、自分自身の力で問題を解決し、困難を乗り越え、自立しようとする精神を指します。他者に依存することなく、自らの努力や行動によって人生や状況を切り開く姿勢を意味します。この考え方は、サミュエル・スマイルズの著書『自助論(Self-Help)』によって広く知られるようになり、「天は自ら助くる者を助く」という言葉が象徴的なフレーズとして有名です。
【自助精神の主な特徴】
①自己責任
┗自分の行動や結果に責任を持つ。
②自主性
┗他者の指示や支援を待つのではなく、自ら行動を起こす。
③努力と継続
┗困難や失敗にも諦めず、目標達成に向けて努力を続ける。
④他者依存の回避
┗必要以上に他人や社会制度に頼らず、自立を目指す。
利己精神と利他精神も大事だし、自助精神も大事だなって思いました。
整理すると、こういう関係性になるかなって。
【3つの精神の関係性】
※意識する順序:利己精神→自助精神→利他精神
┗利己精神は、自己の成長や生存を最優先する原動力。
┗自助精神は、そのエネルギーを使い、自立し、他者に依存せずに問題解決する力。
┗利他精神は、自立した人間が他者や社会へ貢献しようとする心。
◆
【3つのバランス】
┗利己精神だけでは孤立しやすく、周囲との対立を生む。
┗自助精神が欠けると依存的になり、自分を守れない。
┗利他精神のみでは自己犠牲が過剰になり、持続性が失われる。
利己精神・自助精神・利他精神について、いくつか項目別に整理してみました。
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繰り返しますが、利他精神は非常に大事です。
ただ、これも繰り返しますが、自分を大切にしないのに、他者を心の底から大切にすることなんてできません。
利己精神や自助精神がないままに、利他精神を大事にしようとすると、相手のためにやっているように見えて、見返り欲しさに相手にとって良いことをしている状態になってしまって、それは相手のためのように見えて、自分のためにやってることになってしまいます。
これだと、「自分を大切にするために、相手を犠牲にする」ということになりかねないので、良くないですよね。
自分自身を対象にした利己精神と自助精神を大切にして、自分のことを大切にできるようになってから、他の誰かのためになるような行動を起こせるようになりましょう。
上記の自助精神の説明部分に紹介した本でもありますが、『自助論「こんな素晴らしい生き方ができたら!」を実現する本』という本には、以下のような内容が書かれていました。
◆「天は自ら助くる者を助く」・・・自助の精神は、人間が真の成長を遂げるための礎である。自助の精神が多くの人々の生活に根づくなら、それは活力にあふれた強い国家を築く原動力となる。
◆自分で自分を助けようとする精神こそ、その人間をいつまでも励まし、元気づける。その人のために良かれと思って援助の手を差し伸べても、相手はかえって自立の気持ちを失い、その必要性をも忘れる。保護や抑制も、度が過ぎると役に立たない無力な人間を生み出すのがオチである。
◆いかにすぐれた制度をこしらえても、それで人間を救えるわけではない。いちばんよいのは何もしないで放っておくことかもしれない。そうすれば、人は自らの力で自己を発展させ、自分の置かれた状況を改善していく。
◆われわれ一人ひとりがよりすぐれた生活態度を身につけない限り、どんなに正しい法律を制定したところで人間の変革などできはしない。われわれ一人ひとりが勤勉に働き、活力と正直な心を失わない限り、社会は進歩する。反対に、怠惰とエゴイズム、悪徳が国民の間にはびこれば、社会は荒廃する。
◆法律を変え、制度を手直ししたからといって、高い愛国心や博愛精神が養えるわけでもない。むしろ、国民が自発的に自分自身を高めていけるよう援助し、励ましていくほうが、はるかに効果は大きい。すべては人間が自らをどう支配するかにかかっている。
本日は以上です。
今回も読んでいただき、本当にありがとうございました。
これからも、「仕事でも私生活でも心をラクにする(ワークライフハック)」をテーマに、心をラクにするキッカケになり得ることを発信し続けます。
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