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『家族』のカタチはみんなで作るということをどうしても認められない夫

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料理は嫌いだけど、実は洗濯は嫌いじゃない。

洗濯機に入れてスイッチを押すだけだし、干すこともテトリス的に無心になれるので嫌いじゃないのだ。

畳むのも大丈夫。タンスにしまうのだけは嫌い。


結婚して約10年。

洗濯ひとつとっても、悲喜こもごもだった。


結婚当初、夫のなにもかもも一緒に、私が洗濯をしていた。


裏返ったTシャツ

丸まった靴下

ズボンと合体したパンツ


ひとつひとつが心に刺さった。


カチン

カチン

と音を立てた。


洗濯の仕方、私は母に教わったんだ。

子供のころ、二槽式洗濯機を使っていた母の洗濯を手伝う形で、洗濯の仕方を教わった。几帳面な母に教わった、洗い方、干し方。


そういうもんだと思っていた私の心が、

カチン

カチン

と音を立てた。


自分の服は、洗濯するのも自分なので、干しやすいように脱いでいるのだ。裏返しに脱いだら面倒なのは自分なので、脱ぐときに毎回気を付けて脱ぐのだ。

自分で洗濯しないとわかっている人が脱ぐ、脱ぎ方。

考えれば考えるほど、心は音を立てる。


しばらくして、意を決して夫に言ってみた。


「せめて、表向きに脱いで洗濯機に入れてもらえない?そうしたらラクなのに。」


裏だったら裏のまま干してくれればいい。裏のまま置いといてくれれば、着る時に裏返すから。いつ裏返すかの問題でしょ?


「パンツも?靴下も?」


そうそう。靴下だってバラバラに置いといてくれたら、履くときに探して履くし。


な…なるほど…


思いつかなかった。


以来、丸まっていようが、合体していようが、そのまま干す。乾いたら、洗濯ピンチから外して、夫カゴにバサッと入れると、夫が自分で片付けたり、そこから着たり。

夫はそこに何の不満もなさそうな様子。


洗濯はまだ、話が簡単なほうなのだが、複雑なのが子育てだ。


分担、平等、交代、夫のやり方、私のやり方、当事者意識、自分の時間、寝る時間、合間の家事、休日の過ごし方、名前のないタスク・・・


子供がいなくても揉める要素の多い共同生活。

子供がいると増える増える、タスクとすり合わせと、揉め事。



家族になる。

夫婦になる。

それは粘土細工みたいなだと思う。


なんせ粘土。形は千差万別。同じ形はふたつとない。

それぞれの夫婦、それぞれの家族の形がある。


しかしこの粘土、夫婦ふたりで形を決めないといけないのだ。

この最初の事実すら、知らされないままに結婚したと思う。

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ブログ『ワーキングマザー・サバイバル』で特にたくさんの方の共感、反論、議論を生んだ『夫のこと』カテゴリー記事。夫の会社の人にバレそうになり、止む無く会員限定記事に。 その間筆者の仕事の状況も変わり、ブログ『ワーキングマザー・サバイバル』から『夫のこと』だけスピンオフ(?)させてnoteで連載することにしました。 ワーキングマザーの方もそうでない方にとっても、参考になるかは未知数。 (月4回更新/初月無料)

ごく普通の女が結婚して妊娠~出産。35歳で『ワーキングマザー』になりました。 それまで世の中知ったような気になっていたけど、実は何も知らな…

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