夫を『当事者』にすることができるもの
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「これは私の問題じゃないんだよ。私たちの問題なんだよ!」
保活のこと、感染拡大で急に登園、登校停止になること、入学準備のこと、子供の友達付き合いのこと、子供たちだけで寝れるようになること、子供のおやつのこと、子供のサイズアウトした靴のこと。
長男の保活が8年ほど前。
私の住む区の区議さんに聞いた話では、我が区で保活が最も熾烈だった時期らしい。
『もしかしたら会社を辞めなければいけないかもしれない。』
そんな嘘みたいな本当の話が目の前に現れて、
・・・またまた~御冗談を~・・・
と会社に電話したら人事の人に言われたのだ。
「ニュースなんかでも見ますよね。実際それで会社を辞めざるを得ない人はいますよ・・・保育園見つかるといいんですけど・・・」
・・・
ガツンと頭を叩かれたような衝撃があって、数分で見える世界が変わったのを覚えている。
世の中の理不尽。
それまで幸運にも、私は健康に恵まれ、親に恵まれ、環境に恵まれ、大した理不尽を味わわずに来れたのだ。
それが急に、私は子供を産んだだけで何も悪いことをしたつもりはないのに、辞めたくもない会社を自分の意思に反して辞めなければいけないかもしれないのだ。
世の中に理不尽は本当に存在していて、それはこんな顔をしているのだと初めて知り、
「知ったような口をきいていてすみませんでした。」
と世の中に土下座したい気持ちになった。それまでの自分が恥ずかしくも感じた。
本当の『理不尽』にさらされると、こんな気持ちなんだ。私がこれだけの理不尽に出会っているなら、もっと大きな理不尽に苦しんでいる人だっているに違いない。なんて大変なんだろう。そしてきっと、私が見えていない想像もつかない理不尽が、世の中にはゴロゴロしているんだろう。
そう考え始めたら私にとっての世の中が変わった。
でもその間も、隣にいる夫は相変わらずいわゆる『ゲタ』を履いたままで笑っていた。
私も少し前まで『あっち側』だったな~、と。
もちろんそれは夫個人が悪いわけではないが、私だって悪くない。
長男の保活のころにはまだ、そんな夫を振り向かせる言葉を私は持ち合わせていなくて、なんとか保育園に滑り込み無事に仕事に復帰することができた。
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夫婦サバイバル(ワーキングマザー編)
ごく普通の女が結婚して妊娠~出産。35歳で『ワーキングマザー』になりました。 それまで世の中知ったような気になっていたけど、実は何も知らな…
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