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夫には、『人に優しく』が難しかった

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硬く硬く、

幾重にもこんがらがった糸玉を

ほどくような作業だった。


子供が生まれても独身時代と同じ生活を続け、

私に『お母さん』の役割を求め、

反論すると『めんどくせー女だ』と口をふさぎ、

要は、

俺の好きなようにさせろ。

そしてお前は口答えせずに言われたとおりにしてろ。


そんな状態から、約10年かけてここまで来た。


最近我が家は平和そのもので、話し合いはあっても喧嘩はあまりない。

夫は穏やかで優しく、私が何かをすれば『ありがとう』と言い、育児のパートナーであり仲間として心強い存在だ。

『普通』と言えば『普通』なのだが、世間話すら刺々しかった昔の夫を知っているだけに、いまだに、日々感慨深い。


「幸せそうだね。」

夫にそう聞いてみた。

「(笑)そうだね~、あなたとも仲良いしね。」

「だってここ最近ずっと優しいもん。」

「でしょ?優しいでしょ?
・・・いやでもさ~、こんなに簡単なことだったんだね~・・・」


夫婦と家族の平和と心地よさが、『こんなに簡単なことだったとは』と、彼自身が振り返った。


硬い硬い、

こんがらがった糸玉のようだった、昔の夫。


私の言うことには、とにかく頑なに耳を貸そうとしなかった。

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ブログ『ワーキングマザー・サバイバル』で特にたくさんの方の共感、反論、議論を生んだ『夫のこと』カテゴリー記事。夫の会社の人にバレそうになり、止む無く会員限定記事に。 その間筆者の仕事の状況も変わり、ブログ『ワーキングマザー・サバイバル』から『夫のこと』だけスピンオフ(?)させてnoteで連載することにしました。 ワーキングマザーの方もそうでない方にとっても、参考になるかは未知数。 (月4回更新/初月無料)

ごく普通の女が結婚して妊娠~出産。35歳で『ワーキングマザー』になりました。 それまで世の中知ったような気になっていたけど、実は何も知らな…

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