おにぎりで、お腹じゃなくて、胸がいっぱい。
「おにぎりをにぎった事は、ありますか?」
小さい頃から、社会人になるまで、何度もにぎってもらった、おにぎり。
小学校の運動会、中学生のおべんどう、高校生の部活の遠征。
何度も何度も、家族ににぎってもらったおにぎりを食べてきました。
そんなおにぎりを、遠く行ってしまう大切なひとに、
飛行機の中で食べてもらいたい。
ふとそう思い、出発のあさに握ることにしました。
お米を炊いて、両手を水で濡らし、お塩をまぶし、真ん中には種を抜いた梅干しを入れる。
何度も何度も、綺麗な三角形になるように、ご飯をにぎっている時でした。
不思議と胸の中がいっぱいになって、涙がポロポロとこぼれてきたのです。
遠くへ行ってしまう、大切な人を想って涙していると思ったら、それだけではなかったのです。
おにぎりを握りながら思い出したのは、おにぎりをにぎってくれた、お父さんとお母さんの姿でした。
どんな想いでおにぎりをにぎってくれたのか、想像していると、胸の中がいっぱいになってきたのです。
今日も元気でいますように。
お腹が空かないように。
無事に運動会が終わりますように。
入学試験が上手く行きますように。
何事もなく家に帰ってきますように。
きっと、おにぎりをにぎってくれた、僕の両親は、
きっと、そういう事を想いながら、おにぎりを作ってくれたのだろう。
そう思えば思うほど、いろいろな思い出が思い出されて、ますます胸がいっぱいになってきたのです。(もちろん、そんな日ばかりではなかったとも思いますが・・・。)
おにぎりをにぎりながら、大切なひとを想い、
おにぎりをにぎりながら、大切にされてきた事を思い出しました。
恥ずかしいけれど、近々、聞いてみたい。
にぎってくれた両親に、どんな気持ちでおにぎりをにぎってくれたのか。