カメのように、地に足つけて。〜こち亀の仕事術〜
『秋本治の仕事術 ~『こち亀』作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由~ 』
秋本治、集英社ノンフィクション、2019年
こち亀は、40年以上休まずにジャンプに週刊連載を続けたマンガだ。そんな長期間にわたる作品を続けたのが、秋元治さん。そんな秋元さんが自らの仕事術をまとめた本を出版した。
冒頭で秋元さんは、40年の連載を続けられた理由を以下の通りに語る。
「なぜ、 40 年間も週刊連載を休まずに持続できたのか」
これは僕がとてもよく聞かれる質問です。
対する僕の答えは、さほど面白いものではないかもしれません。自分自身、持続させる方法なんて、まともに考えたことがなかったからです。
いまになっていえることといえば、〝目の前にあることをこなし、ひとつひとつ積み重ねること〟。
社会人になると努力するプレッシャーが減る事がある。仕事はそこにあり、仕組みがそこにある。そのレールの上を走っていれば、とりあえずは飢えて死ぬことはないのだ。
そんなありふれた毎日、明日も同じような1日が来ると信じて疑う人もいる。
有名なスポーツ選手やミュージシャン、映画俳優を見ていて羨ましがる人がいるのは、じぶんではいけないところに、彼らがいるからであると思う。憧れがそこにはあるのだろう。
ただただ、そんな彼らも元は子供であり、運や諦めない努力、その他もろもろの要素が重なってそこにいる。
つまり、
結局はあきらめないでチャレンジしたことが、成功の秘訣なのだ。いろんな成功本という本を読んでみたりしたけれど、根っこの考えはおなじだ。驚くほど残酷な現実を直視し、目標を明らかにして、コツコツ積み重ねていく。たったそれだけのとなのだ。
だから、この本に驚いた。
こち亀の仕事術は、びっくりするほどまっすぐで、正直なアプローチだ。亀のように地に足つけて歩き続ける。貪欲に学び、立ち止まらない。そのまっすぐな事実を惜しげもなく披露する秋元さんは、素敵な人だとおもう。
さて、じぶんの日々を亀のように歩いて行こう。ありふれた毎日のいとおしさを踏みしめながら。