イシューは、どこにやら?
『イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」』
安宅和人著、英治出版、2010年
手っ取り早くイシューの広がりを整理するときには、「最後に何がほしいのか」ということから考えることも有用だ。
「欲しいものは、なんですか?」
「どんなところにいきたいですか?」
「どんなじぶんになりたいですか?」
行きたい場所を定めずに、放浪する旅も悪くない。けれども、放浪しているたびは行きたい場所にたどり着かない可能性もある。
なぜなら、行きたい場所がわかっていないからだ。日本の社会では、高校卒業して、良い大学に入って、有名企業に入社して、定年まで勤めるという「黄金ルール」があるように見える。
昨今は世の中は変わってきたというけれど、本質的なところで大きな変化はまだないように見える。
『イシューからはじめよ』という本の中には、
「そもそも考えることってなに?」
「我武者羅に非効率に犬の道でもいいの?」
少しでも「欲しいものをはっきりさせる」こおの重要性について繰り返し説明している。
なんちゃってイシュー 序章でも触れたとおり、実は、世の中で問題だと言われているもの、調べてみようと思うことの大多数は、今、本当のところは答えを出す必要がないものだ。
「なんちゃってイシュー」だらけの世の中だからこそ、「本当のイシュー」について、向き合うことが今まで以上に大切になっている。