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覚えてないなあ(細野さんとタツローさん vol.2)

先週に引き続き、今週もDaisy Holiday!を聴いた。

細野さんとタツローさんの対談の続きということで、先週の楽しみのひとつだった。2人とも大滝詠一さんと深く関わり合い、もっと時間を過ごしておけばよかったと、何かのインタビューで話していたので、会いたい人に会える時にあっておくことは、人生において後悔しないための秘訣なのかもしれません。

タツローさんが過去の出来事について、細野さんに質問すると「覚えていないなあ」という回答が多い。

今の時代はご飯を食べる時も、何か景色を見た時も、誰かに会った時も、ネットの中で面白い記事を見つけたらスクショしたりと、なんでも覚えておこうとする文化な気がする。

そういう自分も2度と出会えないかもしれないと思うと、どうしても写真にデータに収めておきたくなる。

けれども、そのことに集中していると、コンサートで動画をずっと撮っている人と変わらなくなってしまう気がする。

コンサートの映像を誰かに見せたいのか、自分であとで見返したいのかはわからないけれど、撮影OKなコンサートだと、本当に最初から最後まで動画に残そうとする人がいる。

後で見てもいいのだけれども、私たちの時間は一日24時間で、何度も同じ時間を過ごすことは出来ない。

だから、最近はコンサートでも景色でも自分の目に焼き付け、身体にその空気を滲みつけるようにしている。

その場所でグッと心と体が感じたことは、「覚えていないなあ」となってしまっても、無意識に体の中に体験としてずっと残る気がするのだ。


話は変わり、ラジオ番組の中では、細野さんがプロデュースし、お蔵入りになってしまった、リンダ キャリエールのアルバムの話をしていた。

細野さん、タツローさんも作曲家として参加したこのアルバムは当時はリリースが見送りとなってしまった幻のアルバム、こちらが今年にリリースされたのです。

ラジオの面白いとことは、こうした予期せぬ音楽との出会いであり、これが自分の好きな音楽の幅を広げてくれる。

今聴いても古くないアルバム、日本人が海外アーティストをプロデュースし、世界市場にチャレンジした試み、それも文化の分野で。

その瞬間に熟成された音楽は、時代を超えて、2024年に新しいリスナーを獲得する。

覚えてなくても、何かをやった事実は、その音楽はどこかに残り、誰かにいつか伝わるのかもしれない。

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