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New Yorkで農家になったら、日常の中で小さな幸せを見つけられるようになった話。#WORKINGFOREVER 05

こんにちは!WORKING FOREVERコラム担当の、Yumi*です。#生涯現役、#自分らしく、イキイキと『#しごと』をしている方のエピソードや考え方、その他諸々の出来事や感じたことを徒然なるままに更新しています。

今回は私のアメリカのお父さん、Sandy のお話。交換留学中の冬休みに私はひとり旅に出たのですが、その時にお世話になったホストファザーです。当時学生だった私は時間は持て余していたけれどお金は節約したかったので、農業の手伝いと引き換えに食事と寝床を提供してもらうサービス【WWOOF】を使ってアメリカ内にいらっしゃる農家さんの家に転がり込みました。

アメリカはやはり、大きい国なのだなと実感しました。「ご近所さん」とは言えないような距離に隣人が住んでおり、Sandy の家の周りには牛小屋と作業小屋、そして銀世界が広がっていました。

Sandy はNew York に拠点を置く、オーガニックにこだわった肉牛の農家です。また、男手1人で2人の娘を育て上げたシングルファザーでもあります。今はガールフレンドのローラと一緒に住んでおり、親戚、家族、友人と幸せに暮らしています。見てください、この薪ストーブ。エアコンなどは一切無く、家にある薪ストーブ2つで家全体を温めていました。作り置きしたシチューは冷蔵庫では無く外に積もっている雪の中に埋め、食べるときはストーブで温めていただく、というような生活を本当にしていたのです。

さて、寒いある日の朝のこと。私はSandy 特製のオムレツをほおばり、ホットコーヒーを飲んで一息。なんとも言えない幸福感に包まれた時間を過ごしていました。

「I always eat favorite breakfast. This has been my inevitable custom for more than 30 years. 」(私はいつもお気に入りの朝ごはんを食べるようにしているんだ。そしてその習慣はもう30年以上続けているんだ。)

なんて素敵な習慣なんだろう、とほっこりしながら、どうしてお気に入りを食べるようにしているのかを聞いてみました。

「 Life sometimes suddenly ends. Of course,  there are some duties and something I don't want to work on. But, you know, just would like to make everyday special.」(人生はともすると、突然すぐに終わってしまうことだってあるんだ。日々の生活には義務も、できれば避けたいこともあるけれど、それをひっくるめて人生とするのであれば、毎日毎日すこしでも心地よく過ごしたいじゃないか。)

彼は奥さんを若くして亡くし、シングルファザーとして娘2人を育て上げてきています。そして彼自身も職業上のケガや病気を患って今までに8回手術を経験し、そのうちの2回は生死をさまようほどの重体でした。

そんな彼の大切にしている習慣は他にもあって、とてもシンプルです。それは朝日や夕日をなるべく毎日見て、深呼吸すること。そして笑うときは思いっきり笑うこと。

「Today is gonna be a good day ! All right, I gotta see my buddies! You can come when you are ready!」(今日もきっといい日になる。ちょっと牛の様子を見てくるわ。準備できたらいつでもおいで。) 

彼は残ったコーヒーを飲み干すと牛小屋に出かけていきました。私も後を追って行くと、笑顔で牛と接しながら毎日のルーティーンの作業をしているSandy がいました。

【心の持ちようで仕事をいくらでも楽しく、充実させることができる。そして日々に感謝する習慣を持つ。】

オンもオフもほとんど境目のない生活をしているSandy だからこそのWorking Foreverスピリットに触れることができたように思います。

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