分報の進化系「秒報」
分報については以下記事を参照してください。
本記事では分報の進化系である秒報を紹介します。
秒報とは
秒報とは、自らの状況をリアルタイムに共有することで、お互いにリアルタイムに状況を知れるようにする仕組みを指します。
分報では自分の分報チャンネルに投稿していましたが、秒報では投稿アクションはありません。公開範囲を指定するだけで自動的に常時共有されます。
メリデメ
メリット⭕
投稿が苦手(言語化が苦手など)な人でも共有できる
リモートでありながら非言語コミュニケーションに頼れる
自動的な共有 + 非言語情報の共有により、分報以前よりも手間無く、かつはるかに情報量が乗ります。
デメリット❌
現状秒報を行うツールがなく、仕組みの自製が必要
この新しい概念を理解してもらうための啓蒙が必要
特にVUCARDとのバランス
VUCARDを前提にする
秒報においては、そもそもVUCARDを前提にします。
日報 → 分報 → 秒報という流れは、リモートベースであってもリアルタイムで豊富なコミュニケーションがしたいとのニーズの現れでもあります。
※現地での対応が必要な仕事もまだまだありますが、ここではデスクワークを想定します。
(余談) VUCARDについて補足
そもそもR(Remote)とD(Diversity)を尊重する――各自の生活水準を尊重することは現代ではもはや当たり前でしょう。
主にパンデミックの影響でリモートワークが加速しましたが、これで成立すること、特に各自の生活水準を守れることが判明しました。水準が上がったのです。
一度上がった水準は下げるべきではありません。乗り物による通勤に慣れた人に「交通費もったいないから歩け」と言うわけにはいかないでしょう。昔はセクハラが当たり前だったからといって「昔は当たり前だったんだぞ」などとは言わないでしょう。
乗り物も、セクハラがないことも、現代の水準の一つです。これを下げてはなりません。ハラスメントになるレベルで、あってはならないことです。
また、時代はVUCAでもあります。
単に上から降ってきたことや顧客から言われたことをこなしていればいいだけ、というほど単純でもありません。
主体性、仮説検証、アップデートやリスキリングといった言葉もあるように、各自が各自のペースと強みで動いて、それを上手く連携させる形を取らねばなりません。
そのためには、従来の密な結合を緩めて、リモートなど融通の利く働き方が必要です。より率直な言い方をすれば、多忙一辺倒ではなく余裕を確保すること、チームワーク100%ではなくソロワークも行うことなどです。
まとめると、各自の生活水準を尊重した働き方は、現代ではもはや当たり前の水準なのです。水準を確保するためには、リモートワークもよく使われます。
しかし、リモートだとコミュニケーションを上手く行えないので、もっと上手くやりたいのです。このとき、無闇な出社や会議といった「水準を壊す形で上手くやる」のではなく、水準を維持しながらも上手くやりたいのです。
分報も、秒報も、そのためにあります。
秒報に必要な4要素
ここからは秒報の実現や運用に関する話をしていきます。
秒報に必要な概念が4つあります。まずはかんたんに俯瞰します。
1: プレゼンススペース
メンバー全員のプレゼンスを俯瞰できるワークスペースです。
2: ワークスペースのライブ配信
作業の光景をライブ配信します。
「部屋全体」「PC画面全体」などは「公開しすぎ」でハードルが高いため、必要な部分のみを選択できるようにします。
また、このライブ配信も俯瞰が必要です。
3: オープン・ワークスペース
オープン・ワークスペースとは、誰もが読み書きできる場所です。ここで自分用のワークスペースをつくって作業します。
❌自分のパソコン内に保存したファイルを扱って仕事する
⭕オープン・ワークスペースに置いたファイルを使って仕事する
すでにクラウドストレージ(Googleドライブ、Dropbox、Box、Microsoft OneDrive etc)である程度実現できていますが、それでも自分のパソコン内がメインとなっている人がまだまだ多いです。この比率を極限まで減らします。
4: 秒報タイム
勤務中、常に秒報を行うのは負荷が高すぎます。かといって、各自の自主性に任せていては、全員が集まるタイミングが定まらずに不便です。
そこで秒報を行う時間帯を統一させます。これを秒報タイムと呼びます。
コアタイム中に秒報を行う、などがわかりやすいでしょう。
以降では各要素をどう実現・運用するかの詳細を見ていきます。
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