インボックスはTASTに分ける

インボックス(inbox)とは「あとで処理するもの」を溜める入れ物です。中身をゼロにすることを目指します

奥が深く、個人差も大きい概念ですが、比較的万人に通用する分け方がありますので紹介します。


TAST分類

インボックスを以下の4つに分けます。

  • Thought

    • 自分が思いついたもの

    • 例:アイデア、やりたいこと

  • Anyone

    • 自分以外の誰かから来たもの

    • 例:指示、お願い、相談事項

  • Source

    • 購読・ウォッチしているもの

    • 例:あとで読むもの、読んで気になって深堀りしたいもの

  • Task

    • すでにタスクとして存在しているもの

    • 例:日々の業務、ルーチンワーク、打ち合わせなど定期開催イベント

この4つはそれぞれ扱い方が異なりますし、人によっては扱わなくてもいいもの(逆に重点的に扱わねばならないもの)が違います。自分に合った扱い方を考えねばなりません。


TASTそれぞれの扱い方


Thought

  • 自分が思いついたもの

  • 例:アイデア、やりたいこと

メモを扱います。

思いついた時点で行動できればベストですが、たいていはそうもいかないので「いったんメモしておく」ことになります。当然、後で読み返して行動せねばなりません。

読み返しと落とし込みの両方が必要なことに注意してください。メモは時間が経てば経つほど意味不明になる(腐る)ので、できるだけ早めに読み返します。また、読み返しただけでは何も変わらないので、具体的な行動に落とし込みます。行動とは、何らかのアクションを取るか、ノートを取って「考えを形に残すか」のどちらかです。

読み返しと落とし込みは能動的にやるしかありません。誰かが管理してくれるものではないからです。これには腰を上げるエネルギーも必要で、時間的にも精神的にもある程度の余裕が欲しいところです。多忙な毎日ではまともに扱えません。頻度は毎日でも数日でも週一でもいいですが、何にも誰にも邪魔されない時間が1時間くらいは欲しいところです。


Anyone

  • 自分以外の誰かから来たもの

  • 例:指示、お願い、相談事項

メッセージを扱います。チャットやメールが多いと思いますが、口頭の場合もあります。

いずれにせよ、そのままでは失念してしまうので記録に残してください。メモなど私的な記録で問題ありません。また、記録に残す手間が大きいと形骸化するので、できるだけ手間の少ないやり方を追求するべきです。

たとえばチャットの場合、ブックマーク的な機能で印をつけておくだけでも違います。対応したら印を外す、とすればインボックスとして使えます。

脳内だけで済ませていいのは、以下のケースだけです。

  • 忘れても誰かがフォローしてくれる

    • 例:フォローが手厚い新人、部下を持つマネージャー、意思決定権を持つ経営者

  • 扱う情報量が少なくてカバーしきれるし、実際フォローされずに回せている

  • 状況が高頻度に変わるか、高頻度に共有するスタイルである

    • 目安:朝会など毎日レベルの定例的な場があるか、ペアワークなど一緒に仕事するスタイルを採用している


Source

  • 購読・ウォッチしているもの

  • 例:あとで読むもの、読んで気になって深堀りしたいもの

読み物を扱います。書籍や記事であることが多いです。見聞きした単語や人・組織を深堀りしたいこともありますが、最終的には書籍や記事にたどり着くので同じことです。

このソースは以下の戦略で処理します。

  • 間食的

    • 「あとで読む」箱に溜めておいて、空き時間に読む

  • 食事的

    • インプット時間をつくって、集中的に読む

具体的には、以下のスタイルのいずれかになります。

  • 間食のみ

    • 忙しい人はこれになります

    • 例:育児などながらが多い人、移動が多い人、打ち合わせが多くて待ち時間が長い人

  • 食事のみ

    • 余裕がある人やアスリート的な人はこれになります

    • 例:毎日規則正しく生活している人

  • 間食と食事

    • 通常はこれになります

    • 例:平日休日やワークライフが分かれている会社員、忙しさに波がある人

正解はないので、状況に応じて使い分けてください。

ポイントを一つずつ挙げるとすれば、まず間食ではすべてを処理するのは通常不可能ですから、目的を設定して開き直って取捨選択します。毎週溜まるペースが+20、消化ペースが-5という破綻(+15ずつ溜まるのでゼロにならない)はよくありますが、気にせずそれなりに消化できればそれでいいと考えます。ただ、漠然としていても形骸化するだけですから、その時々の目的(おそらくは喫緊のニーズか中長期的な課題)に役立ちそうなものを選ぶと良いでしょう。

次に食事ですが、本格的に身につけたい場合は食事ではなく「勉強」をしてください。食事は、たとえるなら「いつもは10分だけど今回はたっぷり1.5時間使って本を読む」「記事を読み漁る」行為ですが、これでは足りないことがあります。勉強とは書籍や論文など、まとまった情報源を精読することです。

※精読しながら記事や生成AIを活用するのはもちろんアリです

場合によっては何らかの教育や講義を受講したり、講座や資格取得に向けて勉強の日々をおくることもあります。

要するに、達成感が得やすい・自己陶酔しやすいからと、すぐに消化できる情報のインプット(食事と間食)ばかりしていてもよろしくないということです。


Task

  • すでにタスクとして存在しているもの

  • 例:日々の業務、ルーチンワーク、打ち合わせなど定期開催イベント

タスクと予定を扱います。

すでにタスク化、あるいは予定化されていて、しかるべきツールで管理されているはずです。されていない場合はしてください
Anyoneの範疇であることが多いです。

別の言い方をすると、タスクはインボックスとして処理してはいけません。タスク管理、予定管理としてしかるべきツールを使ってください。



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