チャットと通知の分離、ベルウェア(Bellware)

チャットが根強く使われる理由の一つは通知です。

声をかけたいとき、対面だと直接かければいいですが、リモートや非同期だとそれができません。手紙を置く、メールを飛ばしておく等のやり方ですと、すぐに見てもらえるとは限りません。

そこでメンション(@mention)をつけるなどして通知を飛ばします。


チャットの問題は、通知と結びついていること

本来ならば通知を受けて、ではどうするかのやり方が様々あるはずです。しかし現状はチャットが通知機能も担っているため、

≒チャット

となってしまっています。これでは融通が利きません。

実際未だにフルリモートも当たり前になっていないくらい、働き方は古典的で、大手企業でさえも出社回帰に倒してしまいがちです。この一端は、通知に対する処理方法がチャットしかない、という方法の乏しさにあると考えます。

方法を増やすためには、チャットへのとらわれから解放しなくてはなりません。


通知だけ行うソフトウェアがあるといい

そこで、チャットと通知を分けて、通知だけを行うソフトウェアを考えます。

これをベルウェア(Bellware)と呼びます。呼び鈴のベルです。


ベルウェアについて


ベルウェアの機能

  • グループ機能を持つ

    • DMのような1対1

    • グループチャットのようなn人

    • チームやプロジェクトや部門など組織を反映したn人 etc

  • グループ内の全員 or 特定の人(達)に向けて、ベルを鳴らすことができる


ベルとは

ベルとは「呼び鈴」のベルですが、特定の人に通知を飛ばすだけのものです。

例として、🐶さんが誰かを想定してベルを鳴らすとします。「誰か」には 🐶さんがベルを鳴らしたことが通知されます。

ベルの内容は URL です。「これを見て」「ここに来て」といったURLがついています。URL は必ずつけないといけないもので、つけないとベルを鳴らせません。

ですので、「後で話そうか」みたいな安易なことはできません。必ず事前にどこかに何かを書いて、そのURLを教える形でベルを鳴らさないといけないのです。ベル自体にコミュニケーション機能はありません

もちろん、URLは色々ありえます。チャットのスレッドでもいいですし、ノートのURLも可能です。コミュニケーションツールは色々あります。


メリット

  • 通知後のアクションを取るやり方として、今は「チャットを使う」がまず来ますが、ベルウェアを使うとこれ以外も考えることができるようになります

  • 短絡的な割り込みが減ります。ベルだけではコミュニケーションを取れないので、鳴らす側がちゃんと考えるようになるためです

前提として、私たちは「ベルウェアだけ見ておけば良い」との運用をしている必要があります。


Q&A


Q: 緊急の場合はどうすればいい?いちいちURLつくってベル鳴らす暇はないと思うが?

Ans: たとえばアラートウェア(Alertware)があります。

本記事ではチャットと通知を分離しました。

一方で、通知自体も「緊急ではないもの」と「緊急なもの」に分離できます。ベルウェアは前者を扱います。後者を扱うものがないので、それはまた別のソフトウェアで扱います。仮にアラートウェア(Alertware)と呼びましょう。

アラートウェアは、緊急の通知――来たらすぐ対応するものだけを扱ったソフトウェアです。そうではない内容は一切扱いません(ので基本的には使う機会は無いはず)。


こうすると働き方にメリハリが出ます。

従来はチャットで通知していたので、緊急も、そうでないものも全部チャットでやり取りすることになりすべて確認しなければなりませんでした。負担が高かったのです。

しかしベルウェアとアラートウェアを導入すると、アラートが来てたらそれには対応するが、それ以外はベルに従って自分のペースでやればいい、となります。


Q: このように混ざっているものを分離する発想は汎用性が高そうだと思うが?

Ans: そのとおりです。

当サイトでは「分離エンジニアリング」として整理しています。チャットと通知の分離もその一つです。

詳しくは以下をご覧ください。


Q: 通知やメンションについて他に扱った記事はある?

Ans: あります。

当サイトでもいくつかの捉え方をしています。3記事ほど紹介します:


いいなと思ったら応援しよう!