スキルよりもアダプテーション
スキルがあるからといって通用するとは限りません。仮にスキルがあったとしても、その組織のやり方・考え方・人間関係などに適応できなければスタートラインにも立てないのが現状です。
本記事ではアダプテーションについて解説します。
前半ではアダプテーションの概要や諸性質を、後半は上手く付き合うための方法を扱います。
アダプテーションとは
アダプテーション(Adaptation)とは、直訳すると「適応」で、ある組織に適応することを指します。
アダプテーションができないと、戦力とはみなされません。下手をすれば追放もありえます。
スキルが求められているが、実はアダプテーションが重要
アダプテーションはスキルとは無関係です。
つまりスキルがあっても適応できなければ論外ですし、逆にスキルがなくても適応できれば何とかなります。
そもそもスキルなんて、よほど高度でなければ後追いで身につければいいだけです。わかりやすい例として、同じことができる人なんてこの世にごまんといるはずです。スキルとはその程度です。
そういうわけで、真に重要なのはスキルよりもアダプテーションなのですが、アダプテーションは度外視されがちなのが現状です。
近年の採用活動では、採用プロセスを強化することでマッチングの質を上げようとしていますが、アダプテーションという観点では全然足りません。かといって、インターンシップについても、いわばアルバイトのようなものですから、正社員としてのアダプテーションとしてはやはり足りません。
アダプテーションと世界観
一つ用語を導入します。
組織が持つやり方、考え方、人間関係などを総称して世界観と呼びます。なのでアダプテーションとはその組織が持つ世界観に適応することと言えます。
世界観には文化、価値観、ルールやプロセスなども全部含みますが、どちらかと言えば明文化されてないものを指すニュアンスが強いです。
たとえば「毎日定時退社を想定せず、息するように残業する」は世界観の一つ(一要素)です。世界観にこれが反映されている場合、「毎日定時退社したいです」は通用しません。このような組織ですと、息するように残業するという部分に自分が適応できねばなりません。
世界観は理のようなものなので、毎日定時退社派という多様性は通常認められません。下記記事でも述べたとおり、多様性の理解はまだまだですが、
これは世界観が堅苦しいからです。基本的に世界観は堅苦しいものです。どの組織も例外はありません。世界観の堅苦しさは現代が脱せていない現象の一つです。
世界観のカスケード
世界観はカスケードします。
たとえば以下のような典型的な階層組織を考えた場合、
会社
事業部
部署
部門 ★
チーム
★の部門レベルでは「会社」「事業部」「部署」「部門」と 4 つの世界観が存在します。上位の世界観が継承されつつ、さらに現組織単位の世界観もつくられているわけです。
階層が深いほど世界観も増え、アダプテーションも難しくなります。
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以降からは、アダプテーションと上手く付き合うための方法を見ていきます。
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