Box Driveを使わなくてもBoxは使える
Box Driveは一見すると便利ですが、デメリットも地味にストレスです。思い切って使うのをやめてみましたが、案外円滑に使えるものだなぁと思いました。
Box Driveのデメリット
いちいちファイルの同期が必要で遅いこと
Box Drive は「起動している間のみ」「今開いてる部分をダウンロードして同期する」感じの動作をします。
PC を起動しっぱなしにできるならいいのですが、そうではない場合、PC を終了した時点で(PC ローカル側の)ファイルも削除されます。つまり、次、起動したときにまたダウンロードが発生します。回線速度によりますが、この待ち時間が結構だるいです。
ファイルパスの共有がしづらいこと
Box Drive のローカル側のファイルパスはデフォルトで以下になります。
厄介なのがUser1の部分で、ここがユーザー名なのでファイルパスが人によって違うことになります。ファイルパスを共有するときが本当に面倒くさいです。
環境変数を使って以下のようにすればいいのでは?と思われるかもしれません。
ですが、これには以下の問題があります。
そもそも「%userprofile%/Box」と書いて共有してください、といわれてやる人があまりいないこと
この保存先はデフォルトであり、人によっては D:\\storage\boxdrive など別のパスに変更しているかもしれないこと
編集の競合が面倒くさい
Box Drive を使ってローカルでファイルFを編集するとします。AさんとBさんがいて、二人ともファイルFを編集しています。先にAさんが保存した後、少し経ってからBさんも保存しました。
こういうのが競合です。Aさんの方を採用するとBさんの方が無かったことになりますし、Bさんの方を採用すると(BさんはAさんが編集した内容なんて知らずに自分が編集した内容をそのまま保存するので)Aさんの方が無かったことになります。
これを回避するため、Box Drive ではAさんの保存分とBさんの保存分を両方残します。「どっちを使うか or 上手く併合するかは君たちに任せるよ」「両方残してるんで文句ないだろ」というわけです。
片方のファイルがなくなる恐れはないとはいえ、競合した分を併合(マージ、上手くまとめること)のは面倒くさいです。
Box Drive 無しでも何とかなる
というわけで、思い切って Box Drive をやめてみたのですが、案外何とかなります。
Box Drive を使わない場合、Box Web 版をブラウザベースで使うことになります。
共有は URL ベースで可能
たぶんこれが一番大きいと思いますが、共有がラクチンです。URLを見せるだけでいいからです。
このURLですが、ファイルの保存場所や名前を変えても変わらないので便利です。
オンラインで複数人同時編集が便利
Office はよく使うと思いますが、ブラウザベースだと Excel Online などオンライン利用が使えます。
これは複数人で同時編集ができるものです。ファイルをひとりずつ開いて更新してねとか、競合が起きてるのでマージしてねとかいったストレスとおさらばできます。
最悪ファイルをダウンロード、ローカルで編集、D&Dでアップロードすればいい
ローカルで編集したい場合でも、やろうと思えばできます。
1: Web画面から対象ファイルをダウンロード
2: 1をローカルで編集
3: 2のファイルを、Web画面にD&Dしてアップロード
要は手作業で落として上げるわけで、とてつもなく面倒くさいですが、できないことはないわけです。
大きなファイルや複雑なファイルを使わないという抑止力になる
ブラウザ利用を前提にしていると、そもそもローカルで大きなファイルや複雑なファイルを扱おうとしなくなります。上述したとおり、とてつもなく面倒なので。
私たちはすぐこのようなファイルに頼りがちですが、これは SaaS が無かった頃の名残です。今はたいていオンラインの方が便利です。URL や同時編集の件はすでに前述しましたし、資料にしてもいちいち重たいパワーポイントなんて使わずとも Box Notes でラフに書く、とかもできるわけです。やり方もアップデートされています。
おわりに
仕事や状況によってはまだまだ手放せないかもしれませんが、Box Drive 無しで、Web の方をブラウザで使うやり方でも案外何とかなると思います。
Box Drive に辟易している方は、思い切ってやめてみると良いかもしれません。