ミニマリズム・トリガーリスト
ミニマリズムのメンテナンスに役立つトリガーリストを提案します。
前提知識
トリガーリストとは、頭の中から情報を引き出すための自問自答集を指します。GTDとセットで使われる概念で、ライフハック界隈ではよく知られています。
ミニマリズムとは、所有するモノ・コトを極端に減らすことで「異次元の身軽さ」を手に入れるというライフスタイル・パラダイムです。「髪が邪魔なら坊主にすればいいよね」レベルで大胆に減らすものであり、99% の一般人には縁のないものです。
課題
ミニマリズムの難しさとして、
あまり減らせていないジャンルのモノやコトを減らしに行くのが難しいこと
特に時間の使い方など「目に見えないもの」は扱いづらい
一度減らしてミニマムになった状態を維持すること
の二点があります。
解決策
捨てるためのトリガーリストをつくって、GTDに組み込むことで定期的に捨てられるようにする(捨てるための考え事の時間を取れる)ようにします。
このようなトリガーリストをミニマリズム・トリガーリストと呼びます。
ミニマリズム・トリガーリストの例
正解はないので、好きに作れば良いですが、一つだけ例を挙げます。
リストの例を挙げた後、GTDへの組み込みを論じます。
1: 「シンプル化の問い」
ホワイトスペース本(以下記事)において、
「シンプル化の問い」というトリガーリストが出てきます。
これは「時間泥棒のリスクとその解決策」を問うものであり、以下の4項目から成ります。
〈意欲〉が〈がんばりすぎ〉になったら問うこと:手放せるものはあるか?
〈優秀さ〉が〈完璧主義〉になったら問うこと:「十分」とはどの程度か?
〈情報〉が〈情報過多〉になったら問うこと:本当に知るべきことは何か?
〈活発さ〉が〈やりすぎ〉になったら問うこと:本当に注目すべきことは何か?
2: GTDへの組み込み
次にGTDに組み込みましょう。
といっても、どこかのレビューで扱うだけです。
たとえば週次レビューで扱うといいでしょう。
5分取って、
1: 「シンプル化の問い」の内容をコピペする
2: 思いつくことをまず書く
3: 行動に移したいことを考える
4: 行動をタスクの形で書く
5: ネクストアクションリストやプロジェクトに反映する
ようにします。この場合、週次レビューごとに、シンプル化の問いに従って何かを捨てていく営みになるはずです。
もちろん細かい時間ややり方は調整します。10分くらいかけてもいいかもしれませんし、日次レビューで1分、週次レビューで5分、月次レビュー10分など多段にしてもいいでしょう。
Q&A
よくある議論をQ&A形式で整理します。
Q: GTDも使わないといけないのか?
Ans: いいえ。
しかし、トリガーリストだけあっても使う機会がないので、通常は GTD(のレビュー)のように定期的に振り返るタイミングで目を通すことで定期的に捨てるメンテナンスを行うようにします。
捨てるメンテナンスができればいいだけなので、GTDレビューに頼らずともできるならそれでも構いません。
Q: GTDもできないし、何もしなかったら当然できないし、じゃあどうすればいいのか?
Ans: 諦めてください。
本記事は、捨てるメンテナンスを継続的に行うことを課題として、その解決策を提示するものです。
そもそも大前提として、ミニマリズムはアスリート的な営みであり、トレーニングと同様、継続的定期的にちまちまと行動していくものです。
Q: 他にトリガーリストの例はないのか?
Ans: あるとは思いますし、必要に応じて自分で作ればよいですが、本記事では扱いません。
基本的には、他者がつくった、ミニマリズムとして使えそうなトリガーリストを使うのが良いと思います。なぜかというと、自分でつくったものを使っても茶番感が出て腰が上がりづらいですし、捨て慣れたことばかり続けてしまってマンネリするからです。
他者がつくったものであれば、どちらもなくなるので上手く機能します。もちろん、その分、負荷は高いですが。