心を亡くすまで働かない
「忙しい」という漢字は、「心」を「亡くす」と書きます。この言葉には、忙しさが人間から大切な「心」を奪ってしまうという深い意味が隠されています。日々の忙しさに追われていると、自分自身の心や感情を顧みる余裕を失い、時には大切なものを見失ってしまうこともあるのです。
確かに、適度な忙しさは充実感ややりがいをもたらしてくれるものです。しかし、「追われている」と感じるほどの忙しさは危険です。気づかないうちに自分をすり減らし、ストレスや疲労が積み重なり、心だけでなく体まで蝕んでしまいます。
若い頃の「頑張りすぎ」を振り返る
私自身も若い頃はがむしゃらに働いた経験があります。特に30代の頃は、夜中の3時まで働くことが日常でした。その時期はスキルを磨き、経験を積むための自己投資が必要だと思っていましたし、それが将来への糧になると信じていました。
確かに、若い頃には努力やハードワークが必要な時期もあります。しかし、その「頑張りすぎ」が習慣化し、長期的に続くようになると話は別です。体力や精神力を無理に酷使して得られるものは、実は限られているのです。
忙しさが奪う大切なもの
忙しさに身を任せていると、いつの間にか家族や友人、大切な人との時間を失っていることに気づきます。人生において最も大切なものは、「仕事」そのものではなく、仕事を通じて得られる自由や幸福、そして人とのつながりではないでしょうか。心を亡くすほどの忙しさでは、これらを得るどころか、失ってしまう危険があります。
さらに、「忙しいのにお金が残らない」「貧乏暇なし」という状況に陥っているのであれば、自分の働き方やビジネスモデルそのものを見直す必要があります。単価設定が適切か、自分の価値に見合った報酬を得ているか、今一度考えてみましょう。
自分の価値を基準に働く
忙しさに飲み込まれないためには、自分の価値や優先順位に明確な基準を持つことが大切です。他人の期待や周囲のプレッシャーに振り回されるのではなく、自分が本当に大切にしたいものを見つめ直すこと。それが心を取り戻し、豊かな人生を送る第一歩です。
「心を亡くすまで働かない」。この言葉を胸に、自分自身の心と人生を大切にして働き方を選んでいきましょう。あなたの時間は限りあるものです。それをどう使うかは、あなた自身が決めることなのです。