
学力・基礎学力について
学力があるとかないとか、基礎学力が重要だとかいうが、これらはどういうものなのだろう。
例えば文部科学省のWEBサイトには、生きる力の一要素として確かな学力が必要とある。確かな学力とは、「知識や技能はもちろんのこと、これに加えて、学ぶ意欲や自分で課題を見付け、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する資質や能力等まで含めたもの」とのとこである。
また、先日、国際成人力調査(PIAAC)の結果について報道されていた。調査内容は、読解力、数的思考力、状況の変化に応じた問題解決能力であり、日本人は国際的には上位にいるとのことである。この調査で測っているのは、上述の文科省がいうところの確かな学力に近いものを示しているように思われる。
これらから、「学力」をザックリ言うと、「知識・技能、読解力、思考力、さらに課題を見出し解決する能力」ということだろう。
受験に必要な学力という意味では、少なくとも知識、読解力、思考力が目指す学校に合格できるレベルにあることをいうように思った。
さらに、基礎学力とは何を指しているのだろうか。知識、読解力、思考力の基礎的な能力、つまり教科書レベルの基本的な事項の習得度ことをいうのだろうか。
当方は個人的に、基礎学力は国語力だと思っている。この場合の国語力は、日本語力という意味ではない。英語圏の外国人でも中国人でも必要な、他者の言うことや文章などを理解する力や、自分の考えをわかりやすく伝える力のように思う。様々な知識に加え、状況を判断する力、空気を読む力、情緒やワビサビを解する力、論理的思考力などと思う。これらはすべての教科に必要なベーシックな能力だと思う。
昔話になるが、当方は中学生のころ、自身の中では国語が得意ではなかった。進学塾に通った時期も少しだけあり、国語の勉強法について考えたが、塾の授業では問題を解き、先生はその解説をすることが中心で、根本的な勉強方法について教えてくれるわけではなかったので、すぐにやめてしまった。
同じような時期に、当時、灘高校への進学実績を誇っていた大阪の入江塾の入江伸先生による一連の書籍(今はすべて絶版だと思う)を知り、ほぼ全部読んだ。
中でも、「奇跡の国語」という国語の勉強に関する方法論に、感銘を受けたことがある。この中で薦められている作文力をつける方法や、内省を深めることの重要性などを学んだあと、作文などの国語の成績だけでなく、他の科目の実力も上がったように思った。おそらく、先述した基礎学力が少し上がったのではないかと思っている。
当方は教育業界の者ではなく偉そうに言える知見はないが、受験指導においては、知識の詰め込みやテクニックを教えることが重要な場面もあると思うが、根本的な基礎学力を上げる方法について考えることが重要かと思っている。
(以上)