親が見た大学受験 #10
このnoteには、うちの子の大学受験に際し、親としてどのようなことを考えていたか、どう対応したかなどを記録しておきたい。
私立大の出願
私立大については、国公立大の滑り止めという位置づけで考えていたが、この言葉にはやや語弊がある。第一志望はあくまでも国公立大であるが、もしそちらがダメな場合に、仕方なく私立大に行くということではない。第一志望に振られた場合には、是非そちらに入れてほしいというのが本音なのである。
うちの子の学力では、いわゆるMARCHのどこかを確保できればよいかと思っていた。そうすれば、国公立大の入試に向けて気分的に楽になると思っていた。娘としても、最低でもMARCHのどこかには合格したいと言っていた。
#9にも書いたが、秋ごろの共通テストの模試の点数が思わしくなかったため、自宅から通学できる東京近辺の国公立大の合格はやや厳しいかと思っていた。したがって、MARCHのどこかに受かっておけばいいや、というような余裕のある状況ではなく、どこか1つでいいので受からせてもらいたいという状況であった。
そのため、MARCHの受験スケジュールを見て、多めに受験しておく方針とした。あと、保険として、MARCHよりやや難易度が落ちる成蹊大学を追加で出願した。
試験方式別に分類すると、出願大学・学部は下記の7つの大学・学部となった。先に結果を示しておくと、行末の●は不合格、〇は合格であった。
〇大学独自試験
・明治大学・経営学部(英・国・数) ●
・中央大学・国際情報学部(英・国) ●
・法政大学・人間環境学部(英・国・数) ●
〇大学独自試験と共通テストの併用
・青山学院大学・経営学部(英語+共通テスト3科目) 〇
・成蹊大学・法学部(英語+共通テスト5科目) 〇
〇共通テスト利用
・中央大学・法学部(共通テスト5科目) 〇
・法政大学・法学部(共通テスト6科目) 〇
出願学部は大学によりまちまちであり、方針がないような出願になった。中央大や法政大は、多くの学部が東京の多摩方面にあるが、当方の自宅からは通学時間がかかりすぎるという理由で、その2大学については都心にある学部を選んだ。
出願先について、一つ重要な点がある。共通テストに近い時期に気づいたように思うが、青学大・経営学部と中央大・法学部は、共通テストの後に出願できることを知った。事前に十分調べたつもりであったが、やはり素人である。共通テストを利用あるいは併用する試験は、共通テストの前に出願するとの思い込みがあった。多くはそうであるが、そうでない大学・学部もあったのである。この2大学・学部に出願でき、結果的には非常によかった。
私立大の結果
上記私立大の合格発表は、2月9日の成蹊大から始まった。これについては、安全牌で間違いないと思ったが、やや緊張した。後に点数開示された結果からは、余裕で合格であった。娘は他の大学は自信なさげであったので、まずは大学生になる権利を得たので、安心しろと言っておいた。
次の合格発表は、私立大の受験がすべて終わった後の2月17日であった。まずは、明治大と法政大・人間環境学部の発表があった。netで合否がすぐわかるが、当方も家にいたので、娘の反応を伺ってからにしようと思った。娘は部屋で静かにしていた。しばらくして当方はwebサイトを見た。その2大学は不合格であった。明治大はやはり難しかったのかと思ったが、法政大は何とかなるだろうと思っていたので少し心配になった。
娘の部屋に行くと、案の定、娘はシクシクと泣いていた。「もう終わった」といった。まだ、あと4つ残っているから希望は捨てるなと言うしかなかった。
同じ日に少し遅れて、中央大・法学部の合格発表があった。結果を恐る恐る見たところ、合格していた。すぐに娘の部屋に行った。娘は泣いて腫らした目をしながら、キョトンとしていた。中央大の合格発表がその日にあることを知らなかったのである。けっこう呑気なヤツだと思った。
この中央大学・法学部の合格は大きかった。法学部の名門である。おまけに、数年前に多摩から都心にキャンパスを戻し、場所的にも便利で校舎もきれいである。これで当方もかなり安心したことを思い出す。
残りの3つ、中央大・国際情報学部は不合格であったが、青山学院大と法政大・法学部は合格であった。
さて、合格をいただいた大学・学部のうち、中央大・法学部と青山学院大・経営学部のどちらを抑えておくか、つまり入学金を納め、国公立大の滑り止めとして確保しておくか迷った。娘も悩んでいた。自宅からは青学大が近いが、中央大も都心であり遠くはない。節操なくいろいろな学部を受験すると、こういうときに困るのである。法学部と経営学部である。同じ文系といっても、全然異なる学問である。
娘には、両者のキャンパスを見に行って、ピンとくる方にしたらと言ってみた。娘は勉強時間の合間に、気分転換に出かけて行った。帰ってきて聞いてみたが、決められないといった。
当方としては、まったく古い人間の思考であるが、「つぶしの効く」法学部のほうがよいように思った。ましてや名門の中央大・法学部である。妻の思考は場所や人気だけなので、青学大・経営学部がよいと言っていた。最終的には、本人の希望に従って、これら2つのうちの1つに決めた。
(以上)