大学のキャリア授業 ~学生の実情について~
「キャリア授業」と一言で言っても大学によっては、SPIやビジネスマナー、自己分析、業界研究、プレゼン力など多岐にわたり授業を行っていると思います。
今回は、私が初めて担当したキャリア授業について、授業を運営していくなかで見えてきた「イマドキ」の学生の実情について、以下を紹介させていただきます。
前回の就職試験対策についての記事もご覧下さい。
目次
・授業形式
・学生にとって「SPI」とは?
・授業から見えてきたイマドキの学生の実情
・まとめ
授業形式
今回、私が担当したのは1学部の2年生を対象とした必修科目「キャリアデザイン」の授業です。受講者数は約200名おり、授業内容は「SPI」の非言語科目を中心に学習する、といった内容です。運営に関しては、授業の初回には非言語25問、言語10問のプレイスメントテストを行い、その成績に基づいて約50名ずつを4クラスに分けて、全15回の授業を行い、最終回ではアチーブメントテストを実施するという方式です。毎回の授業では学習した単元の理解度を図るために小テストも実施していました。
学生にとって「SPI」とは?
SPIは、私が学生の頃では一部の大企業のみ書類選考の前に行われておりました。今では、中小企業を含め約半数の企業が採用活動においてSPIを実施しています。そのため、SPIは大学生の就職活動において重要なファクターとなっていますが、イマドキの大学生はSPIについてどのように思っているのか、が気になったためアンケートを実施してみました。特に多かったアンケートの回答結果は以下の通りです。
・SPIという名前は知っている
・就活で必要になる
・問題自体は簡単
・問題に取り組むのは授業が初めて
・対策は直前でも間に合う
多くの学生が、「就活で必要」なため「SPI」という名前は聞いたことがあるが、実際に「取り組んだことがある」学生は少ないのに、「問題は簡単」と思っており、「対策は直前でも間に合う」という風に考えている、という結果になりました。
授業から見えてきたイマドキの学生の実情
正直私自身もSPIは簡単だと思っていましたし、日ごろから勉強をしている大学生にとっては、もっとそのように感じるだろうし、実際に簡単に解答できるだろうなぁ…と思っていたのですが、授業内で行ったプレイスメントテストの結果を見て驚きました。なんと、7割以上正答できた学生が約30%しかいなかったのです!うまく得点できなかった学生は、
・時間が足りなかった(解答に時間がかかった原因のほとんどが非言語分野)
・時間が無かったから適当に解答した
・問題文を読み間違えていた
・そもそもの解法がわからなかった
など、以上の様な傾向がうかがえました。
まとめ
正直、私たちの時代より今の大学生の方が授業にもちゃんと出席して、課題や勉強にも取り組んでいるのでSPIレベルなら…と思っていましたが、この結果には本当に驚きました。
また、得点できなかった学生の傾向から見てもSPI特有の「時間配分」や「問題数の多さ」などに苦労している様に思えたので、今回のことから、イマドキの学生にとってSPIは「難しいもの」であり、「事前にしっかりと対策」を行う意味や重要性を改めて痛感しました。学生達が実際の就職活動で苦労しないように、今後も授業運営を頑張りたいと思います。