志賀原発は停止中だった
1月1日の能登半島地震で、石川県の志賀原発は停止中であったけれど、外部電源や非常用電源が一部使えなくなった。10年以上停止中だったことが幸いだった。
記事をかいつまむと、志賀原発の発電能力は「100万キロワット」で、原子炉の中は300万キロワットの発熱をしている。地震が起きると制御棒をいれて、分裂反応を止める。それでも21万キロワットの発熱をしている。これを「崩壊熱」という。福島でも核分裂反応は止まったが、崩壊熱を制御できなくて事故になった。
志賀原発では10年以上も停止していたため崩壊熱が210キロワットになっていた。よって、使用済み核燃料プールに水があれば冷却は問題がなかった。
昨年3月に原子力規制委員会は志賀原発の敷地内に活断層はないと判断し再稼働の道を開いたが、今回の地震は「想定外」だったそうだ。「想定外」とは役人や政治家の責任逃れには便利な言葉で、彼らの常套句として乱用されている。
ナポレオンの辞書には「不可能」という字がなかったそうであるが、日本の政治家、役人の辞書には筆頭に「想定外」という言葉にフリ仮名までつけている。
しかし、原発が稼働中で内部電源を喪失し、外部電源5回線のうち2回線を喪失しても平気だったと言い切れるかは不明である。
それでも「想定外」だったから仕方がないとするのが専門家であり政府でり役人である。
「マグニチュードM8.1クラスの地震を想定しており、今回のM7・6は想定範囲内の規模」という言葉を鵜呑みにできる政府ではないのが残念なこと。
結局は、原発とかオリンピックとか万博のような大型予算を使うことに利権があり国会議員のみならず地方の自民党議員を含めて「裏金」になるから、多少の危険は「想定外」で済ますことになっている。
裏金は、ばれれば「政治資金」だったことにして帳面に追記すれば脱税にならないという、到底、法治国家とは思えないザル法で政治家を野放しにしている。
こんな国が、被災者を真摯に救済する国であるはずもない。