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夢と現実のはざま。

わたしの夢にはタイムリミットがある。

いや、何歳になっても夢を叶えることはできる。そういう声が聞こえてくる。

それでも限界がある。
夢を叶えるお年を召した方は、それなりにその方にあった現実的な夢なんだと思う。

それはそうと、北海道の大学生は、就活を始めるのが遅いらしい。

大学に入ってから、耳が痛くなるくらい聞いた。都内の大学生に比べ、道内の大学生は土地が広いからかのんびりしていると、よく言われていた。

そんな道内大学生のわたしも、何も進まず頭を抱えている大学生の1人だ。

そもそもわたしには、小学生の頃からの夢があった。

その夢を叶えるために、大学進学は必須だったから、高校は地元で1番の進学校に入学した。

高校では、その夢を叶えるための活動をする部活動を始めた。はじめこそ、夢のためであったが、わたしはその競技にのめり込んだ。

勉強をうまくさぼりつつ、部活動に没頭した。
はじめの頃はうまく結果が残せなかった。部活は毎日あって、土日も9時から17時まで、休みはお正月休みくらいしかなかった。普通の部活よりマイナーなため目立たなかったが、おそらく、最近話題の吹奏楽部より、ブラック部活だったに違いない。でも、それでも時間が足りないと思うほどに、その部活をしてるわたしたちに、不満はなかった。
高3の最後の大会。
全国大会はおしくも逃したが、強豪と言われていた北海道大会で、賞をとることができた。

受験は失敗した。
英語を失敗し、都内の大学は落ちに落ちた。
滑り止めすらも滑りまくり、結果道内の大学に落ち着いた。

大学ではまったく別の活動をしようと思っていたが、気づいたら先輩に無理やりサークルに入れられていた。

大学でも大会があるし、でてみるか、大した期待もせず出場した1年生。

わたしは、気がついたら、全国大会の場で、トロフィーを受け取っていた。

実感のないまま、全国優勝という、考えもしなかった結果を手にしたのである。

まわりの人間はたいそう喜んだ。
『優勝ってことは、もう就活余裕だね!』
そんなことをことあるごとに言われた。
わたしはそんな甘くないことをよく知っていた。

道内大学生の就活は遅い。

それでもわたしのスタートダッシュははやかったはずだ。2年生のうちにはインターンのエントリーをした。エントリーシートは通らなかった。2年生だからかもしれない、そう思うことにした。

そうこうしているうちに、3年生になった。
わたしはもう、なにがしたいのか、自分でもよくわからなくなっていた。

あんなにきらきらした夢をもって、そのための努力をして、結果も残した。なのに、3年生になっても、その手のインターンのエントリーシートすら通らない。

賞を取ってもなににも自信をもてないわたしが、めちゃめちゃ努力した、その事実だけは自信がある。それでも、だめなのだ。結果を残しても、だめなのだ。

誰よりも素振りをして、甲子園優勝に一役買っても、ドラフトにすら呼ばれないのだ。しかも個人競技なのに。

もうなにを信じていいのかわからなかった。

そもそもわたしは、本当にこの職業に就きたいのだろうか。

ずっと目標にしてきたから、
ずっとなりたかったから、
ずっと頑張ってきたから、

それにすがっているだけではないのだろうか。

自分の人生の半分以上を費やしたものを、自分から諦めていいのだろうか。

それとも、インターンのエントリーシートすら通らない現実を直視できないから、本当はやりたくないのでは、そう考えてしまっているのではないか。

考えれば考えるほど、よくわからなくなる。

あぁ、やっぱり、きらきらしてないとだめなのかなあ。かわいくないもんなぁ、わたし。絶対何年も働いてるあの人より、わたしの方が上手だと思うんだけどなぁ。

さらに、新卒じゃないと、その職業に就くことはほぼ不可能。新卒ですら、一握りの人間しかなれないのだ。

つまり、この期間に手に入れることができないと、もう金輪際、わたしはわたしの今の人生で、死んでもその職業に就くことができないのである。

わたしの夢にはタイムリミットがある。

そしてそのタイムリミットは、もう目の前まで来ているのだ。

首元でナイフを突きつけられている気分である。

うまくいってその職業についても、こうなるはずじゃなかったと後悔しそうだし、その職業に就けなかったら就けなかったで、あの時真面目に頑張ればと後悔しそうで、なにも手につかない。

自分から諦めるのも傷つくだろうし、
企業にはねられて諦めるのも傷つくだろう。

どうしていいのかわからない。

『なんで?全国1位でしょ?
なにに悩んでるの?なにがうまくいかないの?』

逆に問いたい。

なぜ、あなたたちはそんなに楽観的に考えられるのか。

大学の活動で、大会で優勝したことも、サークルの代表をしたことも、どうして就職に直結すると考えられるのか。

損になることはないだろうが、得になる保証だってないじゃないか。

実にお気楽すぎる。

そもそもなんでそんなに新卒が重視されるのか。

定年なんてもうあってないようなこの時代で、向こう50年以上も働き続けることを仮定して、一生懸命自分に合いそうな企業を探しては書類を送り、面接を受けては落とされ、そんなに重くキャリアを考えなきゃいけないのはなぜなのか。

そもそも、1年もすればバイトだって飽きるのに、同じ会社に勤め続けられる自信すらない。

合わないのならさくっとやめたいのに、転職だって一筋縄ではいかない。

『転職するにも、新卒で入った企業は見られるから、就活はちゃんとするように。』

新卒ってなんだ。
就活ってなんだ。

じゃあとりあえず努力して、できることだけやればいいじゃん、ってそんなことは頭でわかってても、どうにもならない感情だってあるでしょう?

結局、甘いだけの人間なんだよね、きっと。
きっとみんな、言い訳せずに頑張ってるんだろうなぁ。そして、そういう人たちが、就活も人生も成功するんだろうな。



秋。

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