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失恋。

どうしようもないほどのこの虚しさは、どうすれば消えて無くなるのだろうか。

似たような文字が並んだメールを、飽きるほど受け取り、そのたびに何かを失っては、そのなにかを埋めるために、胸の痛みに気づかないふりをした。

就職活動は、恋愛と一緒。
結婚相手を選ぶのと同じ。

誰が言い出したのかわからないが、あちこちで聞こえるその言葉に、わたしはあと何度失恋をすればいいのかと、遠くの空に想いを馳せた。

もういいや。

もう、これで終わりにしよう。

どんなに尽くしても振り向いてくれないその相手にすがり続けられるほど強くない。どんなに頑張っても認めてもらえず、どころか、自分自身を否定されてる気分にさえなってしまう。どんどんすり減っていく自分に、わたしはもう耐えられなかった。

わたしは、今日、この瞬間、夢を諦める。

恋い焦がれ、憧れ続けた12年間にそっと蓋をするのだ。

目の前で笑顔で番組を進行するその姿を見ていられなくて、わたしはそっとテレビの電源を消した。

わたしは、ずっと。
ずっと、アナウンサーになりたかった。


秋。


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