現代版インド人の偉人たち (Part1)
1)サンダーピチャイ(Pichai Sundararajan)
育った環境
ピチャイ氏は、南インドのチェンナイで生まれ、クリケットに熱中して育った生粋のインド人です。
セレブ社長のような「生まれから裕福」と言うわけではなく、ピチャイ氏の母親は速記者、父親は電気技師で、小さな工場を経営して生計を立てていたインドの平均的な家庭で育ちました。
住環境は二間しかない狭いアパートで、四人生活。自動車や電話等はなく、飛行機にも乗ったことはありませんでした。
そんな環境でどうやってあの高消費社会のアメリカへ行けたのか?
実は、奨学金で人生のチャンスを掴みました!!
ピチャイ氏は学問において優秀で、インドの超難関大学インド工科大学(IIT)に進学し工学士/エンジニアリングの学位を取得、続けて米国スタンフォード大学への奨学金を獲得しました。
スタンフォード大学に通うためにはアメリカ行きのチケットが必要です。
両親は丸1年分の収入1000ドルを費やして、米国行きの片道チケットと諸費用を捻出しピチャイ氏は生まれて初めて飛行機に乗りました。
渡米
ピチャイ氏の凄いところは、その決断力にもあります。
親の期待を背負い両親の年収で渡米した目的である学位を得て研究員になるためのスタンフォード大学を中退し、目の前にあったエンジニアとして働くチャンスを掴みました。
まずApplied Materials社へエンジニアとして就職し、数ヶ月でMcKinsey&Company社へコンサルタントに転身、その後ピチャイ氏はGoogle社に転職しました。
日本人には超一流大学を中退することはあまり考えにくい状況ですが、成功する多くのインド人には自分の人生で必要なものを選ぶ力が若くしてから養われているようです。
Google社での活躍
入社当初は、検索ツールバーを担当する小さなチームに所属し、自社製ブラウザを開発するというピチャイ氏の発案で、Chromeは大成功を納め、今や世界の市場シェア45%を獲得している。
その後Chrome OSの開発にも貢献し、GmailやGoogle Drive、Google Mapsなどのコア事業を監督。
2013年にはAndroid OSの責任者となり、モバイル限定だったAndroidをスマートウォッチやテレビ、自動車といった領域に拡大した。
同時に社内では開発者会議やカンファレンスでは司会進行役を務めたそうです。
2015年グーグル社のCEOに任命された後も幅広く活躍し、2019年には世界最高速のスーパーコンピューターが1万年かかる計算問題を量子コンピューターは3分20秒で解くことに成功しました。
人物像
インド工科大学/IITの同級生だった方と結婚し、一男一女に恵まれているそうです。サッカー、クリケット、チェスの愛好家だそうです。
性格は控え目で、人々に共感を示し、人と対立することを避け、協調の大切さを力説する場面が多いそうです。
ピチャイ氏がCEOに任命される前に、Twitter/ツイッター社、Microsoft/マイクロソフト社が彼を引き抜こうとしたが、ピチャイ氏はグーグルに残る決断をした逸話があります。
仕事の経歴を見ると物凄い、と呟いてしまいますが、私生活を羅列すると非常に親近感が湧いてくるような人物像ですね。
ピチャイ氏の経歴
・1972年インドで誕生
・IIT Kharagpur/インド工科大学 カラグプル校 卒業
・スタンフォード大学中退
・Applied Materials社(シリコンバレーの半導体メーカー)に就職
・2002年ペンシルヴェニア大学卒業
・McKinsey&Company/マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社
・2004年Googleに入社
・2014年製品担当上級副社長
・2015年Googleの最高経営責任者/CEOに任命
・2019年Alphabet/アルファベット社&Google社のCEOを兼任
2)サティア・ナデラ(Satya Nadella )
育った環境
1967年インドの南部ハイデラバードで誕生。
ヒンドゥー教徒の家庭で育ち、父は公務員、母はサンスクリット語の講師で、学業に重きをおいた家庭環境が推しはかれます。
地元のハイデラバード公立学校に通いクリケットに夢中になった経験が現在のリーダシップ、チームワークを形成したと発言しています。
※ハイデラバードはテック企業が集まっている都市で、インドのMicrosoft/マイクロソフト社がインド本社を置いています。
学位取得への情熱
幼い頃から「物作り」をしたいと思っていたそうで、インド、マニパル工科大学にて電気工学の学士号取得後、米国ウィスコンシン大学へ留学してコンピュータ科学の修士を修了、更にシカゴ大学でMBAを取得しています。
Microsoft社からオファーを受けた時はシカゴ大学に通学中だったため「毎週金曜の夜にシカゴへ飛んで、土曜の授業に出席し、職場(レドモンドまで片道4時間フライト)に戻って働く二足の草鞋生活を2年半続けた」そうです。
世界最大のコンピュータ・ソフトウェア企業であるMicrosoft社での活躍
1992年入社当時、Microsoft社はWindows NTを作っていたので、UNIXと32ビットOSについて理解できるサティア氏はエンジニア職でコツコツと実績をあげ順調に昇進しました。
2014年サティア氏がCEOに就任した当初Apple社やGoogle社などの強敵が台頭しており、スマートフォンOSの世界市場におけるMicrosoft社のシェアはたったの4%しかありませんでした。「モバイルファースト、クラウドファースト」な世界において、Microsoft社はモバイルで大コケし、クラウドには乗り遅れた現実がありました。
サティア氏の経営方針改革により、Office製品がAppleやGoogleのOSタブレットとスマートフォンでも利用可能になった他、9インチ未満のデバイスメーカーに対してもWindowsの無償提供を開始しました。
かつては敵対視していた企業ともパートナーシップを結ぶと同時に、新しい世代がMicrosoft社のソフトウェア環境で育つことを狙って「Minecraft」を生み出したゲーム会社Mojangを買収、さらにXamarinとLinkedIn、GitHub等続々と買収し同社の原点であるBtoBへと回帰しました。
同時に組織改革も行い「意思決定を速めるため」に同社で過去最大級のリストラを続行、従業員の14%減らしました。マネジメントの階層も減らした上で、実験好きな社員が所属する32の支部を一般公開し、社外の人でもマイクロソフトのアイデアを試せるように変更しました。
他部署のエンジニアと密に協力し合うように働きかけた結果「Skype Translator」をリリースしました。部署を越えてSkypeの技術者、Microsoft Azureのクラウドコンピューティングチーム、Officeチームの機能を組み合わせる必要があり前体制のMicrosoft社ではありえなかった協力体制が生み出した製品だそうです。
こうした彼の経営手腕により、CEO就任から2018年までの4年間で株価は3倍になり、年間成長率は驚異の27%!時価総額で首位を奪還しました。これにより、サティア氏は成功したCEOとして世界から見なされるようになりました。株価はその後もうなぎ上りで、さらに3倍の株価になり、2021年、2兆ドルの市場評価を達成した2番目の米国上場企業になりました。
人物像ー共感する人
サティア氏は親同士が同僚で、自身の同級生であったアヌパマ・ナデラ(Anupama Nadella)さんと結婚しました。子供は3人いて、2人が障害をお持ちです。
子供の障害と向き合うことで、サティア氏は自分自身以外のことにも目を向け、日々の作業の優先度を変えることを余儀なくされたそうです。「振り返ってみると、あの出来事の前と後では仕事に対する考え方が変わり、自分の発する言葉が人に与える影響についても考えるようになりました」「子供たちの存在が自分の価値観をかえ、人生を豊かにしてくれた」とサティア氏は仕事、そして家族とのかかわり合いについて語りました。
相手のニーズの「背景まで」理解することが革命を生む、「共感はイノベーションの一部」だと発言しています。
サティア氏について、周りの方の考え・気持ちを尊重される方だと多くの方が発言しています。
サティア氏の経歴
1988年インド・マニパル工科大学Manipal Institute of Technology
1990年米国・ウィルシスコン大学University of Wisconsin
卒業後サンマイクロシステムズ社入社
1992年米国マイクロソフトMicrosoft社に入社
1997年米国・シカゴ大学University of Chicago
2008年オンラインサービス部門の上級副社長就任
2011年サーバ&ツール部門社長就任
2013年クラウドやエンタープライズエンジニアリング部門の上級副社長就任
2014年3代目CEO/最高経営責任者に就任
2021年CEO/会長兼任
まとめ
今回はGoogle社のマイクロソフト社のサンダーピチャイ氏とサティア・ナデラ氏について投稿いたしました。とても人間力のあるストーリーが多く、共感される方も多かったのではないでしょうか?育つ国は違えど、人の心は人に寄り添えるようにできているのだと思います。
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【IT Jobs Japan説明サイト(LP)】
【IT Jobs Japanポータルサイト】
【動画: IJJ Remote(業務委託でのインドエンジニア活用)】
次回の記事では”Twitter CEO パラグ・アグラワル”と”IBM CEO アルヴィンド・クリシュナ”をご紹介する予定です。
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