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Kong
2020年3月9日 22:33
きみはおぼえているかいあの終わらない夏の日、始まるはずのない秋がまた終わったことを冬が、負け惜しみに春を笑い真っ赤になって怒った春が思いきり砂浜を駆け抜け夏になったことを海に向かって走り始めた夏の両足にあいさつ気分でからみついたさざ波あの夏が転ぶなんて思いもしなかったよまさか「じゅっ」ていって夏が終わったなんておいらが言っても誰も信じてくれないKならどうかな終わっ
2020年3月4日 23:18
夏の散歩コロと一緒に 裏の空き地へ綱を離すといつでもコロは 畑に走る「待て!」と追うぼく笑ってみている ねぎ坊主一匹とんぼが 止まってるすっかり羽を下ろして休んでる今がチャンスと手を伸ばすそおっと、そおっと寝ているうちに指先がやっと羽に触れたときとんぼはすうっと 落ちてった死んでいた怖かったとんぼは何を感じたの?自分が死ぬのを知ってたの?朝の冷た
2020年3月4日 22:30
(1) 「はい、もしもしYです。ただいま外出しております。ご用件が...」 メッセージが終わる前に公衆電話の受話器をおいて、私はタバコの煙をはきながら溜息ついた。11月19日、火曜日午前2時。吐息は白かったが、それがタバコの煙なのか冷たい街の空気のせいだったのかは知らない。Yは大学時代の友人で、町田にある会社の寮に住んでいる。たいてい火曜日、水曜日が彼の休日で、もしかしたら休日前の追い込み