パネルでポンとの長い付き合い
この記事はアドベントカレンダー企画「みんなの北星」13日目の記事です。クリスマスに向けた企画ですので、日常的なことを書きます。
書いていたら勢いづいて超大作になってしまいました。
パネルでポン(パネポン)って知ってますか?
みなさん「パネルでポン」ってご存知ですか?
1995年に任天堂から発売されたスーパーファミコン用のパズルゲームで、通称パネポンといいます。
このゲームは現在Nintendo Switch Onlineに加入していると遊ぶことができます。
ルールは簡単!同じパネルを3つ以上つなげて消すだけ。
パネポンには最大6つのパネルがあるのですが、カーソルを上下左右に動かして、3つ以上つなげて消します。画面の最上部にパネルが到達したらゲームオーバー。下からパネルがどんどん上がってくるゲームです(ぷよぷよは上から落ちてくる)。
最もプレイ時間が長いゲーム
私は自他ともに認めるゲーム好きです。小学6年生のとき、PlayStationの牧場物語(ハーベストムーン)が大好きで、牧場経営の収支計算をするため父親にお願いしてExcelを教えてもらい帳簿をつけて喜んでいました…。
現在もストレス発散のために友人とオンラインゲームをしたり、1人でのんびり遊んだりしています。
そのようなゲーム人生の中、一番プレイ時間が長いのはパネポンだと思っています。きっかけは幼馴染に誘われてプレイし、その場で一切の手加減なくボコボコにされたことでした(こういうところが彼女の良いとこだと思っています)。負けず嫌いが天井を突き抜けている私は、それから必死にパネポンをやり始めました。当時23歳で大学院生でしたので、研究しろよという感じなんですが、息抜きとかぼーっとしたいときにやっていました。
ただ、問題がひとつあり…。幼馴染はそんじょそこらのプレイヤーと違い、はちゃめちゃに強かったということです。自分が普通にプレイできるようになったぞ!と思って対戦を申し込むも1分ももたずに負ける→少し連鎖ができるようになったぞ→ボコボコにされる→成長したぞ!→ボコボコに… というように何度やっても一生勝てん!!!一体このループはいつ終わるんだ??という状況に陥っていました。
パネポン上達への道
絶対いつか勝ってやるという大きな目標を持って(持ってしまった??)、自己研鑽を重ねた私は、現在では幼馴染に勝つこともあります。勝率は4割程度です。
どうやって上達してきたか、その道をここに記したいと思います。
VSモード(コンピュータとの対戦)
パネポンではVSモードというコンピュータと対戦できるモードがあります。
VSモードはストーリーもあり、花の妖精リップが突如現れたモンスターに荒らされた世界を元に戻すというものです。対戦相手は他の妖精たちやモンスター、ラスボスは女神コーデリアとなります。
EASY、NOMAL、HARDと全部のステージをクリアした私は、エンディングのリップ(主人公)のセリフをみてゾッとします。
「コンティニューなしでエンディングをみてみたいの!」
こいつは正気なのか?そもそもマルチエンディングなのかと…。
大きな目標がある私はこんなことではへこたれず、なんとかHARDをコンティニューなしでクリアできるようになりました。そうすると、なんとゲームがさらなる上のモードを提示してきました。V-HARDモード(S-HARDともいう)です。
V-HARDはレベルが違いました。
正直なめていた…。こんなに強いとは…。全く刃が立たない。
ここで一旦別の方法での研鑽が必要になりました。
ポケモンでパネポン
V-HARDでは怒涛の勢いでお邪魔パネル(相手が連鎖したり、4つ以上パネルを消すと自陣に落ちてくるパネル)が落ちてきて一瞬でゲームオーバーになってしまう状態でした。
こりゃいかんということで、たくさん落ちてくるお邪魔パネルへの対策が必要に。
幼馴染(もはや専門家)に相談したところ、ポケモンでパネポンというゲームボーイカラーのソフトを貸してくれました。
信じられん、全く刃が立たないどころじゃない。30秒も持たん!!!
このゲームは常軌を逸した鬼畜な難易度でした。ポケモンの鳴き声が止まない…(ジムリーダーのアカネから途端に難しくなる)。
ここまで来たらもう極めるしかないという気持ちだったので、これもなんとかチャンピオンを倒しクリアしました(普通に半年以上かかりました)。
VSモードのV-HARDに再挑戦
ポケモンでパネポンをクリアした結果、少ない回数の連鎖を繰り返すだけだった自分も、なんとカウンターを繰り出せるようになりました。
ただ、カウンター型になった結果、攻撃力がなくなってしまうという弱点を作り出してしまいました。
ですが、ここらで幼馴染に瞬時に負けることはなくなり、片方の集中力が切れるまで永遠に対戦が続くという地獄(最長30分)を生み出すことになりました。
成長したなぁ…。
そんな私に幼馴染が
・コマンド入力でもっと強いモードが出せる。
・Nitendoのロゴがでた画面で「 B A L L 」を入力するといいよ…。
・パネルが上がってくる速度がもっと早くなるから。
と囁いてくるのです。
BALLコマンドを入力した状態で、V-HARDに挑戦し、ノーコンティニュークリアをするという新たな目標を胸に私は走り出したのでした…!!!!
Youtubeとエンドレスモード
独学でやりつづけることにも限界を感じてきたとき、Youtubeでうまい人のプレイでも見てみようと思いました。やはり上達するには見て盗むことも必要です。
当時見た衝撃の動画を検索してみたのですが見つかりませんでした。とにかく友人とのオフライン対戦の動画だったのですが、両方とんでもなく強く、上手だったので、ずっと同じ動画を観ていました。
パネポンには縦消しと横消しという消し方があるのですが、上手な人たちは横消しをたくさんする(連鎖する)し、4個以上で消す回数も多いことがわかりました。
誰かと対戦してしまうと、横消しの練習は難しい(お邪魔パネルを消すことを優先してしまう)ので、エンドレスモードで訓練することにしました。
エンドレスモードはVSモードのような対戦ではなく、下から上がってくるパネルを永遠に消し続けるだけのモードです。時間経過とともにパネルが上がる速度が速くなるので自分との戦いになります。
このときの年齢は29歳、仕事の夏季休暇中に1日ぼーーーーーーっとエンドレスモードをやり続け、自分が苦手な連鎖の数、動きなどを確認していました。パネポンと出会って6年が経過していました。
井の中の蛙
ここまでくれば、自分は相当強くなったぞと、息巻いていた私。大学時代の友人にパネポンを好きな人がいました。ちょっと対戦してみようよ~と誘った結果、なんと負けました。
30歳手間までパネポンを続けている人たちは化け物しかいません。
友人曰く「(筆者の戦法は)大型の連鎖(4連鎖以上)が多いから、自分は多数消し(4個以上消す)を増やした。そうすると1つのお邪魔パネルにならないから、(筆者の)カウンターを喰らいにくい」と。
ここでもカウンター型の弱点をつかれる形になりました。
自分の弱みとして以下の点を思い知らされたこの日。
・攻撃力がない(相手のお邪魔パネルを打ち返す手段がメイン)
・多数消しを組み込まれると対処できない
・横消しが苦手
・連鎖しすぎ
ただただやり続けた
以降は弱点を克服すべく、Youtubeでうまい人の動画を視聴、幼馴染との対戦、V-HARDでの練習(もちろんノーコンティニュー)、疲れたり自分の限界を感じたらエンドレスモード、をひたすら繰り返しました。
そうこうしているうちに30代なかばになり、このゲームに出会って13年ぐらい経ちました。
今は横消しもできますし、自ら多数消しを組み込むこともできます。連鎖をしすぎないよう注意し、途中で多数消しを挟み込んで、先手をとる攻撃力もつきました。
この辺で、自分そこまで強いわけじゃなくて、好きでやってるだけだなぁと気が付き、強くなることは目指さなくなりました。ただ面倒くさいことに、幼馴染と対戦し彼女が負けると「本気でやってないんじゃないか」とか、「もっとお前(幼馴染)は強いはずだ」とか言うようになりました。パネポンをやりすぎた結果、出会いのきっかけをくれた幼馴染の強火信者が完成したのです。
パネポンは遊びじゃない!
ストレス発散
パネポンに真剣(?)に取り組んできた身として、これを続ける一番大きなメリットはストレスの発散です。モヤモヤしたとき、イライラしたとき、プレイすることで気持ちが落ち着きます。
思考の整理
エンドレスモードの場合、開始直後は何も考えずにもできるため、仕事や研究のことを考えながらぼーーーっとプレイできます。「ああしよう」「こうしよう」と思って続けていると、なんだかスッキリするのです。
体調の確認
パネポンをしているとハイパー無能タイムに陥ることがあります。無能タイムとは身内内の造語で、消せるパネルが見つからない状態を指します。無能タイムは突然やってくるときもあれば、最初からのときもあります。こうなったときは、自分の思考能力が落ちていると判断して寝ます。
集中する時間を作る練習
15分以内にV-HARDをノーコンティニュークリアするぞ!みたいな目標をたて、タイマーセットの上プレイすることがあります。こういうときは短い集中を求められるので、ここぞというときに集中するモードに入る練習になるなと思っています。自分はタイマーをセットして作業すると集中できるので、そういう気づきを得られたのもパネポンのおかげです。
Let's play パネルでポン!
リアルタイムでやっていなかったゲームでもここまでハマって真剣に取り組むことができます。私は今もプレイしています。プレイできる環境を提供してくれた任天堂に感謝です。
もし関心を持った方がいれば、ぜひプレイしてみてください!奥が深くて楽しいです。あと開発陣が求めるプレイヤー像がドMですので、負けず嫌いだったり根気強くなにかに打ち込める人は向いているでしょう(そうなりたい人もぜひ)。
良いパネポンライフを!
初めて幼馴染に勝利した日、「明日また来い」と自宅に呼び出され、翌日徹底的にボコボコにされたのは良い思い出です。