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初めて親の老いを感じると、ものすごく切ない
高校卒業と同時に母子家庭になった我が家。わたしの学費のために仕事を掛け持ちしてがんばってくれた母には感謝しかありません。そしてハレて社会人となったわたしに、母がよく言っていたのが、
あなたはちゃんと資格をとって、男に頼らなくても自分で食べていけるお仕事についたんだから、結婚焦らずじっくり見極めなさいよ!
でした。失敗してるからこその説得力が半端ない笑
父は優しい人でしたが、典型的なお坊ちゃん気質のマザコンで自立心ゼロ。厳しい嫁姑関係と頼りない父に振り回された母は、ストレスから体調を崩し離婚を決意しました。大変だったね母よ、本当にありがとう。
そして母はこんなことも。
わたし孫の面倒みるのが生きがいみたいなのはまっぴらだからね!なんでもしっかり自分でできるようになってから計画的にやってちょうだいね。
なんともまぁ逞しい。わたしが大学を卒業するまでの26年間、全力でわたしのために駆け抜けてくれた母でしたので、これからは自分のために時間を使ってほしい。自分の人生を生きてほしいとわたしも強く願っていました。
それから時は経ち早6年、来年の春で定年退職を迎える母が最近こんなことを言いだしました。
最近思うのよ、みんな仕事終わって暇になってどうしてるのかな、って。よく考えたら子供夫婦と一緒に出掛けたりしてるのよねぇ。お孫ちゃん預かったりとかして。いいわよね。で、あなたはまだなの?
母よ‥‥
わたしにとっては人生が大きく動き出した6年間。自分の人生を生きているという感覚がたのしくて突っ走ってきた6年間でした。
一方母にとってはどうだったんでしょうか。はじめのうちこそ、やっと子供が手を離れた達成感と開放感があったことでしょう。でも当時アラ還の母です。仕事もそれなりに忙しくしていたし、ろくに趣味もなく、かといって何かを始める体力もそんなにはない状況で、劇的に明るく人生が開けていくなんてこと、まぁないですよね。自由を謳歌したのもつかの間で、このまま自分は1人なのかという漠然とした不安がむくむくと大きくなっていった6年だったのかもしれません。
一人娘のわたしだから、さっさと結婚して子供産んで、もっと母の近くにいて今までの恩返しに親の幸せを味わせてあげなきゃいけないのかもしれない。でも…でも…。
お母さんごめん、それはわたしが今したいことじゃないんだわ。
あなたが思い通りにのびのび生きてる姿を見られるのが、ママの幸せよ。
そう言ってずっと育ててきてくれたじゃないの。あの頃の気持ちをどうか思い出して。
薄情かもしれないけど、今1人なのは全部自分で選んだ人生なんだから、解決をわたしに求められても困るのよ。孫が欲しいなら6年前からそう言ってくれないと…不妊治療で苦労した身だからわかるでしょ…
とはいえまだまだ大人になりきれない娘でごめんね。
あんなにハツラツとした母だったのに。
風船はもうしぼんでしまったのかな。空気入れは自分しか持ってないから、何度でも頑張ってまた膨らませてほしいって願うのは娘のエゴなのかなぁ。
母も歳をとったんだなぁと実感されられました。
夏の終わりに、ちょっとせつない母娘の話。