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YouTubeは今、「おっさん」がアツい。

SNSは若者の文化。そう言われる時代はとっくに終わっている。視聴者もそうだが、プレイヤーも老若男女関係なく参入が激しくなっており、星の数ほどのコンテンツが今この時もばあちゃんちのシャワーくらい怒涛の激しさで放出され続けている。

筆者も気を抜けば消費者としてYouTubeの視聴に没頭して夜更かしがすぎる事があり、危機感を感じてアプリの使用時間制限を設定したほどだ。

さて、そんな筆者の最近オススメのYouTubeチャンネルがいくつかあるのだが、気がつけばおっさんのYouTuberばかり観ていた。おっさんはやっぱり面白くてカッコよくて癒される。皆さんの日常のストレスをヤクルト1000並に緩和させるおっさん達を、今回は簡単に紹介していこう。

オモコロチャンネル

まず紹介するのは登録者42.3万人(2025年1月13日時点)を誇るオモコロチャンネルだ。

笑える ★★★★☆(4/5点)
泣ける ☆☆☆☆☆(0/5点)
斬新さ ★★★★★(5/5点)
供給数 ★★★★★(5/5点)
下ネタ ★★★★☆(4/5点)

広告会社バーグハンバーグバーグの運営するバラエティチャンネルで、ちゃんとした(?)会社が運営しているので、コンプラとかは意外と安心できるYouTubeチャンネル。

オモコロといえば斬新でユニークなインターネット記事で一度は目にした事がある人も多いかもしれない。

また、昨年大ヒットを博した小説『変な家』の作者・雨穴氏もこのオモコロのライターである。

チャンネルの主なメンバーは

永田(副社長)
原宿(編集長)
加藤
ARuFa
ダ・ヴィンチ・恐山

の5名。副社長や編集長なんて偉いおじさんが混ざってたら面白くないんじゃない!?なんて心配は無用だ。この会社を普通の会社だと思ってはいけない。むしろ役職を持っている人たちの方がぶっ飛びあそばされている。

さて、そんな大人気なオモコロチャンネルの動画の中でオススメのものを2024年公開のものに限定して、いくつか紹介しよう。

【第1回】「一度は食べていただきたい」言い方選手権

タレント・星野源氏お気に入りの回。
株式会社なとりの「一度は食べていただきたい」シリーズのおつまみの「一度は食べていただきたい」というフレーズを誰が一番イイ感じに言えるかを競うというワケがわからん動画だ。

このノリと勢いで決まったような企画を本気でやるのがなんともオモコロらしい。

1週間勉強すればクイズ王になれるんじゃないの!?【ゾウクイズ】

メンバーが猛勉強して専門的なクイズに挑戦するというシリーズ企画がこのゾウクイズからはじまった。
視聴者の我々はクイズの内容に置いてけぼりをくらっている筈なのに、何故かめちゃくちゃ面白い。


今、エンタ芸人になりたいのは、この男たち〜〜!!【オモコロ版『エンタの神様』】

かつて大人気を博したお笑い番組『エンタの神様』が好きだった筆者。あの番組を観ていた人達なら誰もが楽しめる企画がこちらだ。
メンバー全員が「エンタにこういう芸人いたよね」を再現し、それぞれに考えてきたキャラクターやネタを披露するのだが、どれもこれも「わかる〜!」と膝を打った。

人生で一度もポッキーを食べた事がない35歳がはじめてポッキーを食べる

おじさんの貴重な初体験を観察できる企画。
35年間ポッキーを食べた事がない人間が初めてポッキーを口にした時、いったいどんな反応を見せるのだろうか。ポッキー以外にも様々な「意外にも食べた事がないもの」が登場するのだが、素直で純粋なファーストインパクト食レポは想像以上に面白い。


オモコロチャンネルは今年から更新頻度を上げ、まったりと日課のように楽しめる。
オモロに対し真摯に本気でぶつかるおじさん達に、あなたもきっとハマっていくことだろう。

笑える ★★★★☆(4/5点)
泣ける ☆☆☆☆☆(0/5点)
斬新さ ★★★★★(5/5点)
供給数 ★★★★★(5/5点)
下ネタ ★★★★☆(4/5点)

改めて、個人的な5段階評価がこちら。
驚きと安定感の矛と盾を備えたチャンネルだ。
ドッキリ系の企画をやらないというのもこのチャンネルの特徴であり、企業が運営していることも相まって安心感が高い。
しかしコロコロコミックに連載を持つほどの彼らは大便でドラマを作ったり、小便で一曲作れるほど下ネタが大好物。お茶の間で流す際には少し注意が必要な場合もあるので、初見の動画はリビングで流さない方が身のためかもしれない。
R指定がかかるようなエグめの下ネタは出てこないので、その点はご安心いただきたい。


ナポリの男たち

続いてのおっさんはゲーム実況グループナポリの男たちだ。YouTube登録者数は35.2万人(2025年1月13日時点)で、往年のベテラン実況者4人が集まったグループである。

笑える ★★★★★(5/5点)
泣ける ★★☆☆☆(2/5点)
斬新さ ★★★☆☆(4/5点)
供給数 ★★☆☆☆(2/5点)
下ネタ ★★★☆☆(3/5点)

2016年結成。しかしそのメンバーたちはそれ以前より実況動画を続けてきた。否、支えてきたといっても差し支えないレジェンドメンバーが集まったのがこのナポリの男たちだ。

メンバーとその実況歴は

ジャック・オ・蘭たん(2007年〜)
すぎる(2008年〜)
hacchi(2008年〜)
shu3(2013年〜)

とゲーム実況黎明期の顔ぶればかり。もちろん全員がニコニコ動画出身だが、リーダーの蘭たんは個人でのYouTube活動も盛んで、週に5〜6本の動画を更新している。グループとしての活動はこの頃はゲーム実況動画より、毎週土曜日の夜に配信される「ニコニコチャンネル会員限定配信」のトークが主だ。そのためかグループのナポリの男たちチャンネルより個人のジャック・オ・蘭たんのチャンネルの登録者の方が圧倒的に多い(57.9万人(2025年1月13日時点))という異例の事態となっている。

メンバー全員が徹底して顔出しをしていない(すぎるを除いて)し、本名を公開していない(すぎるを除いて)徹底ぶりで、基本的にメンバー達はビビり慎重派のため滅多に炎上するようなことはしない。異性の活動者とのコラボなども滅多にしないため、世の介護疲れOL達が安心して推せる実況グループだと評判である。

ただし「最近出たあのゲーム面白いのかな〜?」とゲーム情報をチェックする感覚でゲーム実況を楽しむ人にはこのグループは向かない。彼らが流行の新作ゲームをプレイする事はそんなに多くないからだ。

彼らの特徴としては独特の空気感やトーク、強烈なキャラクターが挙げられるだろう。例えば……

蘭たん
・ホラーゲームのリアクションで右に出るものはいない
・自身を曝け出すことに躊躇いがない(顔と本名以外)
・キャラクターや作品への理解度が高い

すぎる
・純粋かつ天然な最年長のおじさん28歳
・12時間ほどの長時間配信を平気でやる鋼の耐久力
・声がデカくて関西弁

hacchi
・ジャンル「hacchi」といえる他に例を見ないキャラ
・文才に長けており語彙力も実況界随一
・ユニクロの回し者

shu3
・常人には真似が出来ないやりこみプレイ
・下ネタやマイクラMODで一世を風靡
・毒のない喋り口調なのに誰よりも毒がある

とにかくそれぞれがお互いに〝絶対に真似できない〟能力を持っており、さながら実況界の四天王といえる存在が集まっているのだ。これから先の人生を生きていて彼らに似ている人を見つける事は生涯無いだろうとすら思う。

そんな彼らが集まってやるトークが面白くないワケがなく、ゲーム実況者でありながら毎週土曜日の夜にトークをする配信を観るためだけに550円の会費を毎月払うリスナーが後を絶たないのだ。

そのトークの人気ぶりを買われてか、2024年から彼らは『ナポリの男たちα(アルファ)』というラジオ番組をTokyo FMで持ち始めた。

そしてナポリの男たちの企画力の最たる例は〝舞台化〟であろう。展示会やコラボカフェなどもあったが、メンバーたちがチャンネル放送用に作った人気の創作物語が舞台として公開され、大盛況で幕を閉じた。

また、著名人にも彼らのファンは多い。かくいう私も米津玄師氏がキッカケでナポリの男たちの動画を視聴し始めた。

そんなナポリの男たちのオススメ動画をいくつかピックアップしてみた。

【実況】4人でひとつの村に住む男たち【どうぶつの森】一周目

ナポリを初めて触れる人にオススメしたい動画といえばこの「とび森」を挙げる視聴者は多い。
ゲーム機本体ごと郵送でお互いの家に送り合い、一つのセーブデータを共有して遊ぶという企画。
一周回ってくる頃には他のメンバーによって村に〝変化〟が訪れており、その変化へのリアクションの四者四様が面白く、それぞれの個性も見えやすい。

ナポリの男たちの「狂気山脈〜邪神の山嶺〜」【TRPGリプレイ】#1

TRPGに興味がある方にはこちらもオススメだ。
リプレイ動画とは、TRPG(テーブルロールプレイングゲーム)という会話とサイコロでゲームを進行していく遊びに絵やアニメーションをつけた編集を施したものいう。
だがこのTRPG界隈においてリプレイ動画が作られることはそう多くはない。作られたということはそれだけドラマとして強固なものがあったからこそである。
蘭たんがボイスチェンジャーでギャルの女の子を演じているのだが、どんどん可愛く聴こえてきて最後には恋に落ちているので、覚悟しておいた方がいい。

トークに関してはナポリの男たちの公式切り抜きチャンネルがあるため、そこから気になるものを観てみることをオススメする。

笑える ★★★★★(5/5点)
泣ける ★★☆☆☆(2/5点)
斬新さ ★★★★☆(4/5点)
供給数 ★★☆☆☆(2/5点)
下ネタ ★★★☆☆(3/5点)

改めて、個人的5段階評価がこちら。
笑いのポテンシャルもさながら、泣けるポイントもあるのがオモコロとの違いかもしれない。
欠点となるリアルタイム供給数も、実際のところ蘭たんの個人も含めればほぼ毎日。歴史の長いメンバーなので、過去の動画も遡ろうとすればコンテンツ量は無限大だ。
だが初期の雰囲気は当時のニコニコ動画の空気感が馴染まない人には苦しいこともあるかもしれない。肌に合う・合わないがハッキリ分かれるグループかもしれないが、個人的には今回の記事の中でもイチオシである。


リアルアキバボーイズ(RAB)

最後に紹介するのは、今回のピックアップで最もチャンネル登録者数の多いおじさん達、リアルアキバボーイズ(RAB)である。
いわゆる「踊ってみた」を投稿する老舗のプロダンサー集団である彼らのYouTube登録者数は79.1万人(2025年1月13日時点)と日本のプロダンサーのYouTubeとしてはおそらく最高レベルの数を誇っている。

笑える ★★★☆☆(3/5点)
泣ける ★★★☆☆(3/5点)
斬新さ ★★★☆☆(3/5点)
供給数 ★★★★☆(4/5点)
下ネタ ★★☆☆☆(2/5点)

ダンサーでありながら武道館ワンマンを成功させたり、アニソンタイアップを今冬2本も獲得しているという偉業を成し遂げる彼ら。
おじさんグループとは言うものの、現在メンバーは10代から40代までと幅広く、みんな「オタク」で「ダンサー」という共通点で集まり年齢の垣根を超えて活動している。

メンバーは以下の9人+1人で構成されており、それぞれに着用するチェックシャツがメンバーカラーとなっている。

涼宮あつき(赤色)
マロン(緑色)
DRAGON(青色)
けいたん(黒色・紫色)
ムラトミ(黄色)
ゾマやかじゃない!(橙色)
とぅーし(水色)
ネス(白色)
龍(朽葉色)

CHAKA(桃色)※RAB創設者だが芸能活動には関与せず

皆それぞれに日本一や世界一などとんでもない経歴を持ったプロダンサーなのだが、そんな実力派の彼らが時にはカッコよく、時には全力でおふざけをしてくれる(むしろおふざけが真骨頂みたいなところがあるが……)動画は見応え抜群だ。

武道館アーティストでありながらどこまでも身近な空気感で、良い意味で「遠くにいっちゃったな……」感があまり出ない。異次元の能力を持つのにめちゃくちゃ日常に潜んでいる……最近のアニメでいえば『SAKAMOTO DAYS』の坂本みたいなカンジといえばいいだろうか。

ファンネームが「保護者」というだけあって、まるで子供の成長を見守るような目で応援し続けられる……そんな距離感がいつまでもあるのが彼らの魅力の一つでもあるだろう。

彼らを語るに外せない動画として、まずはこちらを紹介しよう。

【 #YOASOBIアイドル 】公式のオタクが踊ってみた【推しの子】

2023年から2024年にかけて一世を風靡した楽曲『アイドル/YOASOBI』において、バックグラウンドシャウト(コール)を依頼され収録されたリアルアキバボーイズ。
本物のオタクによる本物のコールは、この楽曲を通して全世界に響いた。

そんな彼らが全身全霊を注いで踊ったこの動画は必見の価値あり。メンバーそれぞれの得意分野や特色が上手く取り入れられており、細部の演出までこだわり抜かれている。それぞれの個性を知るにもオススメの動画だ。

粛清!ロリ神レクイエム☆【踊ってみた】

美少女無罪♡パイレーツ【踊ってみた】

全力でふざけ倒す動画たちも、工夫が凝らされていて見応えが抜群。その中毒性たるや恐ろしいものがある。
筆者も気付けば夜な夜な毎日再生していた。

Get Wild史上最高!カッコ良すぎるシティハンター

【#ゾンビデダンス】唱/Ado【リアルアキバボーイズ】

かと思えばとてつもなくクールなダンスで沼に落としてくる。ROOTS(ルーツ)と呼ばれる初期メンバー5人の『Get Wild』の渋さもさながら、ESPICE(エスピス)と呼ばれる追加メンバー3人のオシャレでパワフルなダンスもどちらもアツくて色気もドバドバのビビデバである。『ビビデバ』といえば筆者の推しゾマやかじゃない!さんの色気がとんでもないこちらもオススメ。

とりあえず好きな曲を見つけたらその動画を観てみるといい。個人的にはニコニコ動画時代の動画もいくつか取り上げたいところだが、それはまたの機会に。

ダンスだけでなくバラエティ的な動画も多数あり、オモコロやナポリとの大きな違いとして、ショート動画が充実しているためTikTokでも彼らの活躍をチェックできる。

笑える ★★★☆☆(3/5点)
泣ける ★★★☆☆(3/5点)
斬新さ ★★★☆☆(3/5点)
供給数 ★★★★☆(4/5点)
下ネタ ★★☆☆☆(2/5点)

改めて、個人的な5段階評価がこちら。
「笑える」というよりは「笑顔になれる」コンテンツであり、更にはカッコ良さに痺れることも、感動で泣くこともあったりと大いに心を揺さぶってくれるだろう。特に『銀魂』みたいなタイプのギャップが好きなユーザーには非常に刺さるだろうなと筆者は感じた。

躍進を続ける彼らを「保護者」として見守っていくのは楽しい。お前もオタクを推すオタクにならないか?(猗窩座)


まとめ

以上、YouTubeで活躍するおじさん達を紹介した。
他にもオススメしたいチャンネルや、今回紹介したチャンネルを深掘りしたいので、筆者のnoteやXアカウント等をフォローしてお待ちいただけると幸いだ。

また、筆者自身も細々とYouTubeチャンネルを運営している。
特にナポリの男たち関連のファン動画も投稿しているので、興味のある方は遊びに来ていただければと思う。

長くなってしまったので今回はここまでとしよう。
それではまた。

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