むかし書いた韓国コラム #945

 どうやら中東呼吸器症候群(MERS)の猛威は去ったようだ。保健福祉部によると隔離対象者の最後の1人に対し隔離措置が解除され、感染者と隔離対象者がゼロになった。きょうにも韓国政府による終息宣言が出る見通しだ。これで落ち込んだ外国人観光客の訪問も回復に期待がかかる。

 ちょうど月末に知人がソウルにやってくる。「MERSの状況はどうだ?」との問い合わせに、これまでは「大丈夫だと思うけど…」と歯切れの悪い回答しかできなかったが、韓国政府のお墨付きが出るならひとまず安心だ。世界保健機関(WHO)の終息宣言の方も期待したいが、こちらは来月下旬の見込みという。

 日本の夏休みシーズンはこれから本格化するが、海外旅行派ならこの時期にはとっくに旅行先を決めているだろう。MERS終息が即観光客増加につながるかは未知数だ。個人的には例年よりアテンド依頼の少ないシーズンとなりそうで少々ホッとしている。

【解説】
 いまから思えばMERSなど大した脅威ではなかったのかもしれない。その前のSARSも然り。SARSもMERSも海外渡航ができなくなるほどではなかったのだから。

 
(初出:The Daily Korea News 2015年7月28日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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