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むかし書いた韓国コラム #10

 ひところは韓流スター目当てで韓国に来るという日本人客が多かったが、グルメ目的の日本人客も増えているようだ。もともとグルメ目的の客は多かったが、最近では特に日本で規制が強化されているユッケやレバ刺しなどの生肉を目当てにした客だ。韓国ではここ数年でユッケ専門のチェーン店が登場しており、日本と比べると気楽に生肉を楽しめる環境にある。焼き肉屋でも精肉市場のある馬場洞をはじめ、店によってはレバ刺しがお通しとして出てくるところもある。これは無料サービスなので、日本から来た客はたいてい感心する。

 夏休みを控えソウルに遊びに行くというメールが舞い込んでくるようになった。ユッケやレバ刺しを「お腹いっぱい」食べたいというリクエスト付きだ。焼き肉なら存分に食べたいところだが、生肉はそんなにたくさん食べたいものだろうか。とは思うが、好きな人には切実な問題なのだろう。夏に向けおいしい肉屋を探しておかねば。

【解説】
 日本でレバ刺しとユッケの提供が禁止された直後から、韓国に遊びに来た友人からレバ刺しのリクエストを受けることが多かった。その友人に「前回来た時はレバ刺しなんて食べなかったんじゃない?」と問うと、「日本で食べられないから食べられるところで食べておこうかと」という返答が多かった。好きだから食べるのではなく、日本で食べられないという希少性から所望するケースがほとんどのようだ。付き合わされるアテンド役はなかなかにしんどかった。

(初出:The Daily Korea News 2012年6月19日号 note掲載に当たり解説を加筆しました)

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