むかし書いた韓国コラム #323
とかく韓国人は、日本人の「本音と建て前」に否定的だ。ストレートにものを言わない日本人はなにを考えてるかわからないという。しかしなんでもかんでも本音を言えばいいというものでもないだろう。
サッカー・アジア杯での日韓対決後にタクシーに乗ったら、案の定運転手に「審判の判定がおかしかった」などとネチネチやられた。負けて悔しいのはわかるが、日本人客にその怒りをぶつけられても困る。タクシーだって客商売。「日本は決勝進出決めて良かったな。たいしたもんだよ」とお愛想のひとつでも言ってくれればこっちも「いやいや、やっぱり韓国は手強いね。今回は運が良かったんだよ」と思ってもいない建て前を言ってあげられる。それで双方気分良く終われるはずだ。
とりあえずタクシーの運転手はなにかにつけ日本批判を本音で日本人客にぶつけないでほしい。それともこちらも本音で「うるせえから黙ってろ」と叱りつけた方がいいのだろうか。
【解説】
このコラムも商業紙に連載していたものなので建て前ばかり書いていた。日本人向けのメディアなのに、本音を書くとなぜか韓国人から苦情がくるので参ったものだった。
(初出:The Daily Korea News 2011年1月31日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)