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むかし書いた韓国コラム #969

 日本ではごはんをかき混ぜて食べるのはマナー違反とされる。そのため韓国料理のビビンバを食べるときはなにかタブーを犯しているのではないかという居心地の悪さを感じたもの。混ぜずに食べるようなことはしなかったが、混ぜ具合が足りないと思われたのか、店のおばちゃんにスプーンを奪われしっかりと混ぜられたこともある。

 時にビビンバを食べると、同じビビンバなのに「オレの混ぜたビビンバはうまいぞ」などという御仁がいる。とりあえず3分間一心不乱に黙って混ぜろ、混ぜるときも力を入れすぎてはだめだ、ふっくらとソフトに混ぜろ、などとコツを伝授してくれたがそれほど大きな違いがあるとは思えない。

 免許皆伝まで3年はかかるとうそぶく友人。「その混ぜ方ではまだまだだな。どれ、貸してみろ」と勝手に人のビビンバを混ぜ始めた。日本では鍋料理の時に「鍋奉行」が現れるが、韓国では「ビビンバ奉行」が現れるようだ。

【解説】
 やり方をレクチャーしてくれるのはいいが器を取り上げて勝手に混ぜるのはちょっと勘弁してほしい。写真はアシアナ航空ビジネスクラスの機内食のビビンバ。韓国人CAさんに「混ぜて持ってきて」と頼んだものなので素人の日本人の自分が混ぜるよりもおいしい仕上がりになっているはずだが違いはよくわからなかった。美人のCAさんが混ぜてくれたということだけで気分的にはちょっとおいしかった気もするが。なお忙しい機内でCAさんに余計なことを頼むのは推奨しません。

(初出:The Daily Korea News 2010年11月5日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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