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むかし書いた韓国コラム #207
アジア経済新聞によると、アシアナ航空がコスト削減の一環として、海外出発路線の機内で提供していたキムチとミネラルウォーターのサービスをこのほど中断した。同社は現地で積み込む機内食にもキムチだけは韓国産のものを用意するなどこだわりを見せていた。韓国の航空会社で最初に機内食にキムチを出したのも同社で、1995年に上級クラスでキムチのサービスを開始し、一般席にも拡大していった。キムチを使った料理も提供するなど他社との差別化も進めた。大韓航空では「白キムチ」と「水キムチ」は提供しているが、赤いキムチは出していないそうだ。
機内食サービスの縮小は経営正常化に向けた自助策の一環とのこと。上級クラスではキムチの提供は続けられ、一般席でもソウル発の便については継続するという。海外発の便に乗れば韓国に着く前から韓国気分を味わえると一部で人気のサービスだったが、なくなってしまったのは残念なところ。経営に余裕が出てきたらぜひとも復活してほしいものだ。
【解説】
個人的にはソウル在住当時は外に出ればいくらでもおいしい韓国料理を食べられる環境だったので機内食では基本的に韓国食は頼まなかった。掲載の写真は成田発のアシアナ航空のもので、たしかにキムチが提供されている。この時なぜ韓国食を頼んだかというと、「ビビンバを混ぜて持ってきて」というろくでもないオーダーをしたかったから。はたしてCAさんは「コチュジャンはどのくらい入れますか?」とこちらの好みまで確認してくれ、ちゃんと混ぜて持ってきてくれたのだ。ただその後にちょっと偉いCAさんが来て「お客が多いときはご希望に添えかねる時もありますので…」とやんわりと注意されてしまったのは内緒だ。
(初出:The Daily Korea News 2016年5月13日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)